2015.12.6
初代クイーンズ、日本ツアーが戴冠!
<写真:Tomohiro Ohsumi/Getty Images>
日本ツアー劇勝! 初代女王へ輝く LPGAが特別後援する4大ツアーの団体戦『THE QUEENS presented by KOWA』(賞金総額1億円、優勝チーム賞金4,500万円)最終日が12月6日、愛知県みよし市・三好カントリー倶楽部・西コース(6,500ヤード/パー72)で行われ、日本ツアーが41ポイントで優勝。2位は38ポイントの韓国ツアー、3位に12ポイントの欧州ツアーが入り、豪州ツアーは7ポイントの4位に終わった。 (天候:曇り 気温:10.5度 風速:1.1メートル)
優勝した9人の日本ツアー代表が、記者会見場にずらりと揃った。その姿は、気高く、とても美しい。まずLPGA会長・小林浩美が誇らしげに話す。「素晴らしい。代表の9人は、勝つためにはどうするかの発想で、3日間の激闘を戦い抜いた。相手を分析し、優勝のために一致団結。きっと、苦しくてくじけそうなホールもあったでしょう。しかし、日本のために死力をつくして初代女王の座についたわけです。みんなの勝利。感動しました」。これ以上はないと思えるほどの笑顔をつくり、全員に祝福のメッセージをおくっている。最大の原動力となったのは、すさまじいまでのキャプテンシーを発揮した上田桃子だろう。「まずは、優勝できてホッとしています。みんなが熱かった。みんなが頑張ってくれた。それに尽きると思う。ホームで勝つことの喜びを味わえた、素晴らしいトーナメントでした」と胸を張っていた。
代表の9人が決定したのは9月の『日本女子オープンゴルフ選手権競技』の後。キャプテン就任が決定した時から、上田はトーナメントと平行して、さまざまな戦略を練ってきた。対戦する3ツアーの戦力を分析するとともに、日本チーム各選手の調子までチェックしたという。酒井美紀が明かす。「キャプテンの桃子さんからいわれました。『ツアー終盤戦、すごく調子がよさそうだから、美紀ちゃんは絶対、勝てる相手とぶつける』って。緊張したけど、絶対に勝つ、という強い気持ちを3日間、持ち続けることができた。今まで、体験することがなかった貴重な経験を与えてくださった桃子さんに感謝します」。
この日、第1組でプレーした成田美寿々。「きょう、考えたことは、うまいゴルフをすることではない。ダフっても、ミスをしようとも絶対に相手を各ホール、1打上回ることだけ。泥臭いプレースタイルと思われたかもしれないけど、私の違った面を発揮できた。これも桃子キャプテンのおかげだと思います」と振り返った。また、出場3戦、全勝の笠りつ子は、「緊張したけど、楽しかった。普段は見ることのできない、(渡邉)彩香ちゃんのガッツポーズ、とても良かったです。こんなにすごいチームはありません」と興奮冷めやらない様子だった。
菊地絵理香も同様だ。「彩香の17番に大興奮。18番もバーディーを決めた時、頭に浮かんだのは、心強い後輩だなぁ。チームを引っ張ってくれた桃子キャプテン、それから代表全員に感謝の気持ちだけ。うれしい」。飯島茜もこんな話を。「あまりにスリリングで、今でも鳥肌が止まらないほど。優勝した瞬間は、うれしすぎてジャンプしてしまった。私は久々のマッチプレーでドキドキしたけど、負けてはいけないという強い気持ちで頑張りました」という。
ちょっと変わった感想を原江里菜が語っている。「私は以前、日韓対抗戦に出場したことがある。しかし、あの時は、賞金ランキングが繰り下がってきて、それで出場権が回ってきた。それと比較すると、今回は優勝したい。勝ちたいから出る、という9人。意気込みが違った。結果には、もちろん満足。そして、大山さん、桃子キャプテンなどの先輩方。私から見ると、後輩の彩香ちゃんや若手が活躍して本当に良かった」と分析した。
さらには、上田の相談役として陰の尽力者ともいえた、最年長の大山志保。「私が20歳代の頃は、ツアー対抗戦はフレンドリーマッチという感覚でした。だけど、今回は桃子ちゃんと何が何でも勝つ。そういうところからチームをスタートさせました。その気持ちが1人、1人にバッチリと浸透していたと思います。だから、このメンバーで優勝することができて、とても幸せ。ツアーで優勝するより、何倍もうれしい」。チェスで最も強力な駒はクイーンだ。日本最強の9人が集結した今大会で、初代クイーンズに輝いた。まさに、人生は勝つためにある-。