2015.12.17
自己採点は200点! イボミが3冠を達成
<写真:Getty Images>
今年で4回目を迎えた『LPGAアワード2015』が12月17日、都内のホテルで開催された。LPGA Mercedes-Benz Player of the Year、賞金女王、年間平均ストローク第1位の3冠に輝いたイボミ、新人賞・堀琴音、敢闘賞・表純子などのアワード受賞者や、今季のLPGAツアー、ステップ・アップ・ツアー、レジェンズツアー、新人戦の優勝者が一堂に揃い、会場は華やかなムードに包まれた。
2015年の主役は、イボミ。「200点をつけてもいい」と自己採点をした。さらに、「私のゴルフ人生で、こんな素晴らしい1年はおそらく、もうないでしょうね」と少しだけさびしそうな表情も浮かべている。それほどの充実感があったという。ところが、実感はなし。「本当に夢だった、賞金女王を獲れたのか…。そんな気分でした」。ただ、ステージへ上がって、これ以上はないというスポットを浴びると、ジワリジワリと達成感に包まれた。「緊張しました。こんな経験は初めてですからね。最初に、小林浩美会長からトロフィーをいただいた時から、次々に今シーズンの1ショット、1ショットが浮かんでくる。自然に涙も出てきた。頭の中が真っ白になるというのは、こういう状態なのでしょう。せっかく、考えてきたスピーチも忘れてしまいました」と話した。
年間獲得賞金が2億円を突破。また、シーズン7勝という圧倒的な強さは、「皆さんが応援してくれたからだと思う。私は幸せです。ありがとうございます」。感謝の言葉が次々に飛び出してくる。常々、イが漏らしていたのは、「もっと日本語を勉強して、私の気持ちを皆さんへ伝えたい。宮里藍さんのように、スピーチが上手になりたい」。忘れられないことがある。それまで通訳に頼っていたイが、初めて1人で優勝会見へ臨んだのは、2013年の『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』。LPGA副会長・鈴木美重子から、「ボミさん、日本語を上達させるには、1人で話さないと…。大丈夫、できるから!」と激励されたことがきっかけだ。以来、取材を受ける際は1対1で応対。なるほど、ゴルフのテクニックと比例するように、会話力も右肩上がりを続けている。
一方でシーズンオフとはいえ、忙しいスケジュールをこなしながら、来季へ向け着々と態勢を整えている。周囲が今シーズン中、最も気にかけていたのは燃えつき症候群に陥ってしまうことだった。ただし、心配ご無用。イは独自に来季の目標を設定している。「来年も2億円といわれても、そんなに簡単なことではない。だから、今年できなくて、できることを目標にします。公式戦の優勝。年間平均ストローク60台へもチャレンジしたい。それから、大きなテーマは、可能性のある限り、リオデジャネイロオリンピックを目指します」と、宣言した。
表彰式が終わり、メディアの取材が終了すると、笑みを浮かべて、「おかげさまで、いい1年でした。ありがとうございます」。深々と一礼を行った。おかげさまという言葉。最近はあまり聞いたことがない。日本語の上達ぶりにも目を見張るものがあった。
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