素顔の吉田弓美子から飛び出した、クアドラプル4

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty images＞

ヤマハレディースオープン葛城　葛城ゴルフ倶楽部（静岡県）

　早くも上方修正。今週の注目は、3週連続でトップ10入りを果たしている吉田弓美子だろう。例年悩まされている花粉症が緩和され、この日もマスクは着用していなかった。素顔のプレーに当人も気分が良さそうだ。「くしゃみが1度出た程度。やはり、鼻腔に塗ったワセリン効果ですね」とうれしそう。ただ、好事魔多し。こんな時には、より細心の注意を払うのが吉田流だ。「開幕戦から、練習量がとても多かったから、前週の最終日はかなり疲れていた。今回は4日間大会だし、調整は軽めにしています。コースは本当に難しい。でも、自分が難しいと思うことは、他の選手も同じ。条件は一緒でしょう。我慢比べですね」と解説した。

　今大会の目標は、もちろん優勝。すでに、16年のテーマを『トリプル4』と公言している。「4という数字にこだわってプレーしたい」と、①13年の年間3勝を超える4勝　②13年の自己最高賞金ランク5位を更新する　③パー5を4打で。バーディー数を増やす　と説明しているが、「もうひとつ、4にこだわるターゲットが増えた」と、上方修正を行った。「クアドラプル4です」と打ち明けたのは、生涯獲得賞金4億円達成。今大会、単独6位以上で同3億円をクリアする。こうなると、やる気も4倍増だ。

　「3億円という数字は、本当にびっくり。しかし、こんなにたくさんの賞金を稼げるのも、スポンサーや、プロの先輩方、それから応援してくれる皆さん…。もう、感謝の2文字です。プロゴルファーって、改めて素晴らしい職業だと感じました。そうはいっても、プロになるまでは大変です。そこは、家族が一生懸命に応援してくれたことを忘れてはいけませんね」。ということで、昨年は両親へ家をプレゼントしたという。ところで、自身が考えるプロとは、「楽しくなければ、続けられない。さりとて、楽しいだけでは続けられない」と話してくれた。ミステリーファンの吉田、レイモンド・チャンドラー風のひとことは、さすがです。