エイプリルフールで覚醒　李知姫が首位浮上

＜Photo：Chung Sung-Jun/Getty Images＞

ヤマハレディースオープン葛城　葛城ゴルフ倶楽部山名コース（静岡県）　2日目

　2016年LPGAツアーの第5戦『ヤマハレディースオープン葛城』（賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円）は1日、静岡県袋井市・葛城ゴルフ倶楽部山名コース（6,568ヤード/パー72）で第2日が行われた。肌寒く、雨が降るコンディション。スコアを崩す選手が多かったが、通算4アンダーで首位に立ったのが、李知姫、テレサ・ルーの2人。1打差の通算3アンダーでユンチェヨンが続く。4位は通算2アンダーの笠りつ子、通算1アンダーの5位タイグループは、渡邉彩香、永峰咲希など5人。（天候:雨　気温13.1℃　風速:3.9m/s）

　この日は4月1日。エイプリルフールだ。1番ホールのティーグラウンドで、李知姫がドキッとした表情を浮かべていた。「キャディーさんから、きょうは15本のクラブで行くからね、といわれた。本当にあの瞬間は、ビックリです」と振り返っている。15本のクラブを使えば、ペナルティーが…。もちろん、ジョークだった。とはいえ、李は、エイプリルフールを忘れていたらしい。ただ、リラックスするには、この嘘が特効薬となった。何と、5バーディー、ノーボギーというスーパープレーを披露。「きょうは、自分をほめたい」と自画自賛した。

　悲願の賞金女王を目指し、今オフは米サンディエゴでショートゲームとパッティングに磨きをかけている。「これだ、というものが見つかった。これ以上はないという仕上がり」と意気揚々と来日。でも、長いシーズンに備え、「開幕前の1週間、ゆっくりして英気を養った」のがいけなかった。ショットのタイミングに微妙なズレが生じる。「自分は普通だと思っていても、ヘッドが遅れて出ている。それは、動画を撮影してわかりました。今度は、それを意識して、ヘッドを早く出すと、速すぎて…。タイミングがずれ、行ったり来たりです。しっくりこない」。

　ここまで4戦して、2度の予選落ちを喫した要因だ。ところが、「まだ、40％程度の状態」と自己採点しながらも、28位と出遅れた第1日から、大幅にジャンプアップ。気分が良くなれば、トークもより冴える。李とともにノーボギーのラウンドだった勝みなみに触れ「Tポイントレディスゴルフトーナメントの第1日、勝さんと2年ぶりに同組でプレーしました。弾道の高さや、精神面などプロの貫録。私のアマチュア時代とは全く違います」。エイプリルフールに覚醒した37歳のベテランが、狙うのは、もちろん今季初Vだ。