2017.2.23
6人の「レベル3」②競技委員”奥深きルールの世界”
R&Aが主催するレフェリースクール「レベル3」。最も高度な規則教育プログラムへの参加は、LPGA競技委員にとって新たなチャレンジの源へ変わった。第2回は田中裕子、門川恭子、阿蘇紀子がルールの世界を語る。
(写真左から門川、阿蘇、田中)
――レベル3取得へのプロセス
田中「日頃から裁定集を見続けています。ということで、終わってみればそれを反復しただけだと思う。私はレベル2の流れで、ずっと取り組んできました。ということで、特別なことはしてはいません。でも、気持ちの面のプレッシャーがとにかくすごかった。だから、裁定集を手放せなかったのかもしれません」
門川「去年、3月から11月まで、レベル3を受講するというプレッシャーが続き、なかなかのストレスでした。まずは、ゴルフ用語の定義をしっかり読み込んで、基本をもう1度。レベル2とどこが違うといえば、さらに踏み込んで的確な答えをよりスピーディーに導き出すことでした」
阿蘇「2016年はレベル2と3。米国のワークショップを受講し、1年を通してずっとテストに追われたような気がします。かといって、テストのための勉強はしたくはなかったから、どんな時でも裁定集を手放さない。1年でボロボロになった。ルーリングがあれば、本をとって5秒以内に引けるように。そこを目指しました」
――今季、取り組みたいことは
田中「選手が質問しやすい雰囲気をつくり、トーナメントの進行に役立てたい。自分では意識はしていないけど、試合期間中は難しい顔をしているらしいので、表情へも注意をして。もっともっと、ルールを選手に知ってもらえるように努力していく」
門川「いつでも、どんな時でも、選手が質問できる。そんな感じになったらいいと思う。ルーリングで呼ばれたら、普段の会話のように聞いてもらえたら…。初心に帰って、もう一度、です」
阿蘇「昨年、『TOTOジャパンクラシック』に競技委員として参加しましたが、すごい刺激になりました。例えば、そのホールの距離が、日によって30ヤード、あるいは50ヤード違う。当然マネジメントが変わります。考え方が変われば、プレーの幅も広がる。ルール面だけでなく、セッティングなどの面から選手を後押ししたい」
――ツアー開幕目前。オフは、どんなことを
田中「私、おもしろいものが大好きです。もっぱら、インターネットショッピング。最近では、カメラを買いました。360度、全方位が写るものを。仕事にもつかえないか、と考えています。それから、便利なものをつくる。これまた、仕事であったらいいなぁ、と思うものを、100円ショップで材料を仕入れて自分なりに組み立てる。グリーン上の細かい傾斜を見るものなどですね。うーん、すべて仕事絡み…」
門川「オフは精力的にジム通い。もっぱら体力づくりです。競技委員になってから筋肉が落ちてきて、腰痛もちょっと出始めた。それと、プレーをした時、質が落ちてきたことを痛感したから。腹筋を重点的に鍛え、目指せ6パックです。ようやく、たてのラインがついた、と思ったらシーズンでした。この先も朝晩の日課にします」
阿蘇「年明けの10日から、以前からやりたかったソロバンへ挑戦中。海外で幼少期を過ごしたせいで、東洋的なものを触れずにきてしまった。だから、あこがれがある。ソロバンは、パズル感覚で合理的な所が魅力です。ソロバンをすれば、暗算の訓練にもなる。計算がよりスピーディーになれば、仕事の役に立ちます」
レベル3取得で気分を一新。2017年もクールな目で、選手のホットなプレーをサポートする。
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