2018.6.7
日々変化 大山志保は無形の形で好発進
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)第1日
復活Vの勢いをそのままに、第1日も大山志保がギャラリーの視線をくぎ付けにした。65をマークし、しかもノーボギーのラウンドに、「最高のゴルフ。ピンチがなかった」と言葉が弾む。「スタート直後は、それほどギャラリーがいなかった。でも、バーディーをとるたびにギャラリーがどんどん増えていく」。こうなると、サービス精神が一気に旺盛になった。「私はプロ。いいプレーをギャラリーの皆さんにお見せすることが仕事です。最終9番では、「前週、優勝した時のようでした」と、うれしそうに振り返る。
変幻自在。「けがをして、私のゴルフの引き出しが増えた」という。「実は」と前置きし、こんなエピソードを明かす。「2日のテレビ中継を少しだけみました。ショックを受けた。あまりに、理想のスイングと開きがあったからです。新しいスタイルをつくらないといけない。去年と同じスイングはできません。体の状態と相談をしながら、ベストスイングをつくっていく。練習が思うようにできない分、動画などを撮って分析。それをみていたら、昨夜、ひらめきがあって、きょう、練習場とコースで試したら、とてもいい。左肩を意識することです」。
大山のスタイルは、「ゴルフでいいことも、悪いこともコースを出たら引きづらない」である。その日、納得がいくプレーができなければ、徹底して練習を行う。2014年の今大会で、驚くようなシーンに遭遇。開幕前日のことだ。パッティングに悩んで、さまざまなことを試し、気がつくと周囲は真っ暗。終了したのは、午後8時だった。「うーん、思い出せない。私は、集中すると、まわりが気にならないから…」。とまぁ、そんな伝説になるようなことを確認していると突然、ご婦人の2人連れが割り込んできた。
「ナマで見ると、すごく若い」、「優勝、感動したわ」、「もう、長いことやっているからね」、「もっと、勝ってや」などと、次から次へと言葉を繰り出す。ひとこと、ひとことへていねいに受け応えて、最後に、「あしたも、来てくださいね」。懇切丁寧の姿を間近で、拝見し感服させられてしまった。第2日、どんなスーパープレーを披露してくれるか。楽しみが、またひとつ-。
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