2019.2.12
2019ルーキー特集 第7回 スタイヤーノ 梨々菜
<Photo:Ken Ishii/Getty Images>
(※掲載は取材順)
恒例のルーキー特集をお届けいたします。シーズン開幕まで1カ月を切った今、2018年最終プロテスト合格者は、初のオフをどう過ごしているのでしょうか。
スタイヤーノ梨々菜(リリナ) 1997年9月11日 兵庫県出身
プロフィールの趣味の項に、「趣味探し」と書き込んでいる。ジョークととらえることもできるが、この4文字が生真面目な性格を表す。「アンケートを渡された時、困ったなぁと思った。だって、私には趣味がありません。そこで趣味は何かと必死に考えた。それで、正直にこれから趣味を探そうと、趣味探しにしたのです」。こちらが恐縮してしまうほど、ペコリペコリと頭を下げた。
今どきの女性の一面と、古風な一面が同居する。好印象を受けた。ゴルフは10歳から始めたものの、「ジュニア時代、それほどゴルフは好きではなかった。両親、祖母がプロになってほしいという希望があったから、家族のために続けてきたといってもいい」と、苦笑した後、「ただ、高校を卒業してから、これからの人生をどうする−真剣に考え、私はプロになると誓った。そこからです。真剣に取り組んだのは。おかげで去年、最終プロテストに合格することができました。言葉では言い表せないほどうれしかったです。同時にやる気がわいてきました」と瞳が輝く。
最終プロテストの第2日、一生忘れられないことがあった。「朝から、ものすごくショットの調子が悪い。でも、前半の9ホールで29が出た。不思議なスポーツですね。ゴルフは。奥が深い」。お父さんはイタリア出身だ。「南部です」と教えてくれたから、試しに「ナポリでしょう」と水を向けたら、「残念。惜しい」との答えである。「カプリ島です」。観光地として世界的に有名な、東京・千代田区とほぼ面積が同じだ。青の洞窟がある。息を飲むほどに美しい。また、レモンの産地として知られる。
「祖母のニックネームが、リッリーナ。梨々菜はそこから日本語を当てはめた。実は、もうひとつ名前の候補が。イタリア語で清らかの意味がある、キアラがいいとなったらしい。でも、日本で暮らすには、キアラはちょっと…。私、キアラだったらゴルフをしていなかったと思います」。自身の性格を、「やさしくて、とてもまじめです」と表現する。取材の後、礼状が届き、なるほど、その通りの人だったことがわかりました。
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