2019.2.22
2019ルーキー特集 第15回 河本 結
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
(※掲載は取材順)
恒例のルーキー特集をお届けいたします。開幕まで1カ月を切り、各選手が総仕上げの時期。2018年最終プロテスト合格者の今をレポートしました。
河本 結(カワモト・ユイ) 1998年8月29日 愛媛県松山市出身
今オフ、2019年を戦うため4つの大きなテーマを掲げた。
① ショートゲーム
「130ヤード以内の精度を高める。打ち方、球筋、ボールの高さ、スピン量、入斜角度など、自分で知って、体に染みこませた。とにかく、試合で使えなければ意味がありません。ルーティンから、アドレスまでしっかり取り組みました」
② パッティング
「ボールの転がりを意識しました。いい転がりをするためのストローク。アドレスの仕方、ルーティンの入り方など、細分化して練習を積みました」
③ 飛距離アップ
「最終的に、平均280ヤードを目指したい。オフのテーマは、キャリーで250ヤードを超えられるように。いいボールを打てるようになりたい。一気に280ヤードは不可能です。とはいえ、クラブ、ボール、シャフトの進化などで女子ツアーは、いずれ300ヤードの時代がくる。その時、あわてないようにしっかりと準備をしていく必要があります」
④ トレーニング
「飛距離アップには欠かせない。肩甲骨、股関節などの可動域を広げる。体のバランスがよくしないとなりません。その上で、ゴルフに必要な筋力をあげることが必要です」
決して、人任せにしない。コーチはいるが、あくまで自分で考え、コーチがアドバイスを行うスタイルだ。オフに限らず、月ごとに目標を設定するのがスタイルになった。
黄金世代に属するが、あえて異なる道を選択した。他の選手はプロテストを受験。しかし、日体大進学を選んだ。「ツアープロのキャリアを終えた時を考えた。馬場ゆかりさんなどがおっしゃっているセカンドキャリアです。高校では、まだ勉強が足りない。自分の人生を考え、人のためにできることも私、やりたいです。周囲からは、反対意見もあったけど、進学は自分で決めたこと。後悔はないし、正解だと思います。学校へ行くことで、気分転換にもなりますよ」と話している。
プロフェッショナルの原点は意外だった。2017年サードQTがターニングポイント。「失敗した時、ゴルフが嫌いになった。悔しくて、ファイナルQTのウェイティングが2番目。会場までいきました。でも、チャンスはなかったです。帰りの車中、母といろいろと話をした。その途中、母が涙を…。私だけではない。こんな悔しい気持ちになったことはない」とフーッと息をつく。そして、「去年は毎試合、あの時の悔しさを忘れないように死ぬ気で頑張りました。でも、本当はLPGAツアーへ出場したかったけど、与えられたのはステップ・アップ・ツアーだけです。だけど、冷静に考え、これにはメッセージがあることに気がついた。とにかく、最初にゴルフができることに感謝をしてから2018年はシーズンを迎えたことを覚えています」。
昨年はステップ・アップ・ツアーの獲得賞金1位の他、最終プロテストも一発合格を果たす。「去年のシーズン終盤、樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントへ出場しました。私のゴルフは変わらない。それでもトップ10(8位タイ)に入れた。自信になったけど、優勝できないのは、もっと磨かなければならないところがあるからでしょう」。勝負の2019年、無限大の可能性を秘めている。
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