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2020.1.30

2020ルーキー特集 第12回 常 文恵

<Photo:Matt Roberts/Getty images> 

 2020年シーズンが、もうすぐスタートする。特に今年、1月1日からJLPGA会員となった92期生は、期待に胸をふくらませていることだろう。記録の残るツアー制度施行後の1988年以降、もっとも厳しい戦いを勝ち抜いてきただけになおさらだ。19年11月の最終プロテスト合格者は21人。総受験者数は647人で、実に30.8倍の難関だった。

常 文恵 1999年5月7日生まれ 富山県高岡市出身

 日本生まれのバイリンガル。これまでの人生のほとんどを海外で過ごした。上海→ニューヨーク→上海→フロリダ。日本語は当然だが英語、中国語と3か国語を操る。2年前に帰国した。2019年、TP単年登録で、LPGAツアー25試合に出場。賞金ランキングは94位だった。「予選を通過することはできても、最終日になると崩れてしまう。メンタルが強くないからでしょう。最終日は、すごく叩いてしまう。焦りがある。だから、ホールアウトすると、気持ちが沈んでしまう」。厚い壁を痛感したシーズンだ。

 それだけに、「メンタル強化のための、鍛えられた一年でした。おかげで、精神面で少し強くなったような気がする。今年は、もっと自信をもって最終日へ臨みます」とテーマは明確になった。8歳からゴルフを。ちょっとした偶然からだ。「両親が趣味でテニスをプレーしていた。毎週、私も一緒に。遊びですけどね。しかし、いつものようにコートへ出かけたら、強い雨が…。となりにゴルフの練習場があり、予定を変更した」という。

 ただ、振り返れば、偶然は必然とも。「ボールを打つのが楽しい。ボールが結構、飛んだ。はじめてクラブを握ったけど、ボールをうまくヒットできた。それを見た母が、才能があるのでは−と感じたらしい」と話した。本格的な環境でゴルフへ取り組むために、13歳から家族でフロリダへ転居する。15歳で初出場のUSGAアマチュアパブリックリンクスで優勝の快挙を達成。「優勝したことで、スタンフォード大学が、私に興味を持ってくださったようです」と思い出したように語った。

 とはいえ、ちょっと待ってほしい。スタンフォード大といえば、世界トップ5に入る超名門校。タイガー・ウッズの出身校としても知られる。「ゴルフはもちろんだけど、勉強も好きです。プロへ転向していなければ、スタンフォードへ入学していたかもしれない。推薦をいただけたでしょう。GPA(成績評価値)、各科目で4.0以下はなかったです」。さらりといってのけたが、才媛であることは間違いなし。

 特技はバンカーショット。「グリーンの周囲のバンカーが好きです。例えば、ピンまで15ヤードとしましょう。クラブフェースをどのくらい開き、力加減など自然にできた」。天性のテクニックを、ぜひコースで拝見したい。

(メディア管理部・中山 亜子)

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