2020.2.17
2020ルーキー特集 第21回 河野杏奈
<Photo:Ken Ishii/Getty Images>
2020年シーズンが、もうすぐスタートする。とりわけ、今年1月1日からJLPGA会員になった92期生は、期待に胸をふくらませていることだろう。記録の残るツアー制度施行後の1988年以降、もっとも厳しい戦いを勝ち抜いてきただけになおさらだ。19年11月の最終プロテスト合格者は21人。総受験者数は647人で、実に30.8倍の難関だった。
河野杏奈(こうの あんな)1999年11月7日生まれ 東京都出身
小学生の時には3刀流。ゴルフのほかにも、クラシックバレエと空手に励んだ。「4年生の時、クラシックバレエの先生からクラシックバレエか、ゴルフかのどちらを選ぶかを聞かれたことがありました。そのときはゴルフのほうが楽しかったので、ゴルフを選びました。空手は女の子がほとんどいなかったので、続きませんでした。今でも体は硬いし、何もゴルフに活かせていません」とゴルフに専念した理由を話してくれた。
しかし、6年生の時に、子どもに起こりやすい左大腿骨すべり症を患い手術を。医師からは1年かかると宣告されたが、半年で治癒した。「一度はゴルフをあきらめかけましたが、あのことを契機にゴルフへの意欲が強くなりましたし、今の自分があると思います」と打ち明けたが、大病を患った素振りはみじんも感じさせない。そればかりか、「実は、病気のせいで左足の長さが1センチほど短い。クラブを構えたときに違和感があります。ドライバーのミスショットはこのことに原因があるとしておきましょう」と明るく笑う。
プロテスト合格までの道のりは、ヒヤヒヤの連続だったが、QTファイナルステージを7位でフィニッシュ。2020シーズン前半の出場権を確保した。だが、一瞬表情を曇らせ、「上位で通過した実感はありません。まだ自分がそこでやっていける自信もありません。フワフワしている感じ」と不安を隠せない。
プロとして迎える初めてのシーズンオフ。師事するコーチが縁で先輩プロとアメリカで合宿を張ることが決まった。「ツアーで活躍する成田美寿々さんや、穴井詩さんも一緒なので、いろいろな技術を学んできたいです。特にアイアンの精度を高められるようにしてきたい」と意欲を燃やす。課題であるドライバーショットの安定感が増せば、さらなる活路が見い出せる。
(メディア管理部・宮崎 善秀)
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