ベスト・オブ・ゲッティ イメージズ ③

　取捨選択は、編集者の腕の見せどころ。LPGAオフィシャル、ゲッティイメージズのカメラマンが撮影した2019年、アートなワンショットをお届けします。同社のアジア・スポーツエディター・谷岡桂さんが1万5,000カットに及ぶ、シーズンの膨大なアーカイブから、27カットを厳選。「ベスト10、ベスト20と切りの良い枚数にならなかったのは、ギリギリの選択でした。これ以上は絞り切りなれない」と説明していました。なるほど、その通り－。今回のテーマは「ワンポイント」です。

【LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ・ペ　ソンウ】

＜Photo/Getty Images＞

　『第2日、18番のグリーンへ向かうひとコマ。冬の午後、木の影がフェアウェイへ伸びています。まるで幽玄の世界のよう。そして、前方のグリーンには、ボールが。ピンも映っている。最後の集中力を発揮するため、少しだけリラックスしているようにも映ります。なぜかホッとする1枚』

【大王製紙エリエールレディスオープン・鈴木　愛】

＜Photo/Getty Images＞

　『カメラマンがよく狙う構図です。ただ、難しい。見ている方には、わからないかもしれないけど、クラブシャフトへご注目を。光っています。これがテクニック。狙っていても、なかなかこれほどの光を集約することは難しい。日本刀のような輝きにも映る。ご覧のようにキラリと光るワンショット』

【伊藤園レディスゴルフトーナメント・権藤　可恋】

＜Photo/Getty Images＞

　『抜群のクオリティ。ピタッと決まっています。朝、カメラマンの大切な仕事のひとつは、出場選手全員をまず撮影しなければなりません。このワンショットは、朝の力強さがそのままうかがえる。撮影した場所もドンピシャリ。1メートル変わってしまうと、これほど見事な構図にはなりません』

【TOTOジャパンクラシック・アンナ・ノードクイスト】

＜Photo/Getty Images＞

　『1日のスタート。朝焼けが映えます。実は、これ、スタート前の練習グリーン。時刻は午前6時30分前です。選手の1日をすべて収めるのがカメラマンの使命のひとつ。仕事とはいえ、勝負はもう始まっている。そんなことを皆さんにも知ってほしい。とはいえ、映えるワンショットです』

【LPGA最終プロテスト・劉　依一】

＜Photo/Getty Images＞

　『今年、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯が開催されるJFE瀬戸内ゴルフ倶楽部で、2019年の最終プロテストが開催されました。ひと目でおわかりのように、日本では特に珍しいロケーション。ゴルフ写真の見本のようなワンショットです。自然の造形を入れ込み、風景写真にもなる。ただ、報道写真だけに、左隅にショットをする劉さんがしっかりいます』

=つづく