2020.7.15
田中瑞希 スター誕生の予兆
<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>
次なるターゲットが決まった。第2戦、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントの開催へ向け、田中瑞希は、「アース・モンダミンカップで大きな課題だった、ショートゲームをしっかり練習しています。特に100ヤード以内をみっちり行っている。今度は、もっと調子を上げて挑戦したい」と気合十分だ。
JLPGAツアーで、熊本県出身者が142勝をあげている。ゴルフ王国の名にふさわしい。アース・モンダミンカップで優勝争いを演じ一躍、スポットを浴びた。結果は3位タイでも第3日まで首位を独走。151㎝の体形ながら、平均242ヤードの飛距離、思い切りの良いスイングが全国のファンから注目を浴びた。昨年の最終プロテストで合格。3度目のチャレンジだった。回り道はしたものの、1998年生まれの黄金世代。
ふと思い立って、データを調べた。同年生まれの平均身長は158.3センチ。JLPGA会員、1,145人に限定してみよう。平均身長が161.9886センチで、98年4月-99年3月誕生、23人では同162センチだ。黄金世代で最も身長が高いのは原英莉花の173センチだが、小さいのは田中と浅井咲希の151センチである。奇しくも、名前に希の一文字がつく。
命名したのはお母さんだった。「2人目の女の子です。私が考えるように、といわれた。顔を見たら、とても気が強そう。かわいい名より、希望の希をつけたいとひらめいた。それで、命名辞典をパラパラとめくっていたら、瑞が目に留まった」という。めでたいしるし。他の語の上につき、美しい。清らかなどの意味を表す。
得意、それから好きなクラブにあげている「ドライバー」が代名詞のようになった。昨年まで、市販のままで使用していたものの、より振り切りやすさを求め、シャフトを少し短くしている。より、シャープな打球を生み出す。飛距離のポイントは、「ボールが曲がってもいい。クラブを振り切ることです。もし、曲がったときは仕方がないと割り切る」と、即答した。
小学2年からゴルフを始める。キッズスクールへ入校。週1回、1時間のレッスンに夢中になった。「身長が高い子、体が大きい子たちと一緒にクラブを振っても、飛距離はそれほど変わらない」。同時に水泳、バスケットボールも行ったが小学6年時、第4回九州小学生ゴルフ大会で優勝した。中学校入学を機に、ゴルフ一本に絞る。
熊本県は、令和2年7月豪雨で大きな被害を受けた。「びっくりするぐらいの被害です。心が痛い。一日も早い復興を願う日々です。私にできることは、やはりいい成績をあげ、元気を届けることだと思う」。夏の軽井沢が待ち遠しい。
(メディア管理部・中山 亜子)
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