2021.3.19
奮闘・金田久美子 ニュースタイルで勝負
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 鹿児島高牧カントリークラブ(鹿児島県)第1日
ようやく春が来た。金田久美子が1イーグル、3バーディーの67をマークした。加えて、ノーボギーのラウンドに、「最後まで集中力が途切れずにプレーできたことがうれしい」と久々の笑顔である。自身のJLPGAツアー、ノーボギーラウンドは、46回目。アマチュア時の3試合を含めると、49回目だ。
スタートの10番でピン奥6メートルのバーディーを決め、流れに乗った。13番、残り53ヤードの第3打は58度でカップの真ん中からチップインイーグルまで。ここ数年では文句なしのベストラウンドだろう。
とはいえ、ホールアウト後の会見では災い転じて-であることを告白。今年の第1戦、ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント第2日、スタート前のことだ。「朝、ストレッチをしている時、ギックリ腰のような症状に…。棄権も考えたけど、推薦をいただいての出場でした。ここは頑張らないといけない」。
フィニッシュをとらず、腰へ負担をかけないように腹筋へより力を入れる。結果は予選落ちだったが、72のパープレーで乗り切った。「力みをなくし、欲をかかない。ボールが曲がらなかった」という。その後は針治療を施し、大事にはいたらなかった。一方で、今大会から5年ぶりにアイアンをスイッチ。これまた、好感触でこの日のプレーを強力に後押ししている。
「あまり、クラブを替えることは好きではないです。ただ、今回は腰を痛めて、ハーフショットのような感じになったから、飛距離が10ヤードぐらい落ちたことがきっかけです。でも、替えたアイアンがすごくいい。シャフトを20グラム重くしたことも良かったのかもしれませんね。とにかく、ショットがいいとプレーが楽になった」と、手放しの喜びようだ。
ただし、ピンチもあった。印象に残ったのは4番。7メートルのパーセーブを決めたシーンだ。「後半でピンチが3つ。集中した。4番も大きかったけど、7番の2.5メートルのパーセーブも良かったと思う。そのおかげで、最終ホールもバーディーで締めくくれた」。
元祖・天才少女も31歳になった。QTランキングが113位で、JLPGAツアー出場のチャンスはそれほど多くはない。「目標は、リランキングで後半戦の出場権をつかむこと。どの試合もトップ10を目指しています」と控えめだ。
一方で、所属先のスタンレー電気社長・北野隆典氏が1月26日、64歳で急逝。「ずっとお世話になりました。思い出すのは、試合が終わるたびに、電話を頂戴し、ホールバイボールを見ながら、いろいろと励ましてくださった。私というよりも、女子プロのみんなが愛していた方です。とにかくあたたかい。いいご報告ができれば、と思っています」と、しみじみと語っている。恩返し。チャンスはいかさなければならない。
(メディア管理部・中山 亜子)
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