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2021.4.1

高橋彩華 気楽に10メートルを3発

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第19戦『ヤマハレディースオープン葛城』(賞金総額1億円、優勝賞金 1,800万円)が4月1日、静岡県・葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(6,564Yards/Par72)で開幕。コンディションに恵まれ、好スコアが続出した。6アンダーで首位に立ったのは高橋彩華、小祝さくら、山下美夢有。1打差の5アンダー、4位に穴井詩がつけた。前週優勝の岡山絵里、ディフェンディングチャンピオンの成田美寿々は1オーバー、63位タイから巻き返しを狙う。

 何かが変わった。高橋彩華が6バーディー、ノーボギーの66をマークした。「いいスコアが葛城でマークできたことがうれしい。自信になります」。スコアの後押しがあったかもしれない。とはいえ、この日の笑顔は今年一番かもしれない。

 前半組のインスタート。13番、130ヤードの第2打を8Iで1メートルにつけ、バーディーを奪った。さらに、16番もバーディー。ピンチらしいピンチがない。アウトへ移り、ショットメーカーの真骨頂を披露した。4バーディーを積み上げる。2、4、7番は、手前から10メートルを沈める離れ業。無理をせず、手前から攻めるという基本を徹底した。

 「試合を重ねるごとに、ショットの調子が安定した。きょうは、特にグリーンでボールが止まる。ショットとパッティングがうまくかみあって、とても落ち着いていたと思う」と好調の要因を語る。

 スイング改造、さらに下半身のトレーニングが奏功して、21年は好調だ。ただし、最終成績には反映されていない。ダイキンオーキッド第1日=2位T→40位T。続く、明治安田生命第1日=10位T→47位Tで、Tポイント×ENEOSは第1日=1位→33位Tに終わっている。

 「調子と成績が良かったから、どうしても欲が出る。優勝したいという気持ちばかりが先走り、どんどん自分を追い込んでしまったのかもしれない」と猛省しながら、前週へ臨んだそうだ。気持ちの持ちようで大きく変わるのが、ゴルフの特性でもある。42位Tで第1日を終えたが、最終日には3位Tへ食い込んだ。

 「考えすぎない。なるようにしか、ならない。表現は的確ではないかもしれないけど、いい意味で適当にしたら、気持ちがスッと楽に。きょうもそうでした。10メートルのバーディーが3つ決まったけど、どうせ入らない…。ラッキーです」。プレーを楽しむとは、まさにこういうことだった。

 4月1日。エイプリルフールだ。一方で、世の中は新しいことがスタートした。「いいスタートが切れた。でも、ゴルフをしていると、世の中の流れがわからなくなる。同級生はようやく社会人だけど、私はひと足早く社会に出て最前線で毎日、働いています」と歯切れがいい。

 ちなみに、プロゴルファーでなければ、「美容部員がいいなぁ。デパートの化粧品売り場で働いていたかもしれません」。春の訪れを実感した素晴らしい1日は、自身の変化を確信に変えた。

(メディア管理部・中山 亜子)

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