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2021.4.1

小祝さくら首位発進 苦手の14番を克服

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)第1日

 感情の起伏を見せることはない。ただし、クールな表情の奥底にはさまざまな顔が隠れていた。小祝さくらが、大いなる進化を披露したのは、事前から「もっとも警戒した」と話した14番。安全第一。フェアウエイキープを念頭に、3Wの第1打はミスショットだった。ボールは右方向へ。しかも木の下で止まった。

 最大のピンチがスタート5ホール目で到来。しかし、冷静沈着だった。6Iを選択して、低い球筋でフェアウェイへ戻す。第3打、落ち着いて3メートルへつけ、パーをセーブした。「第2打がフェアウェイへ出すしか方法がない。そこからのパーセーブ。すごく大きいと思う。ホールアウトして考えても、あそこから流れが変わった」と満足そうに話した。確かに、アウト、インでそれぞれ3バーディー。しかもノーボギーのラウンドである。山のようにチャンスがあったわけではない。機を見るに敏-経験から学んだ大切な財産だ。

 「前半、パー5の2ホールでしっかりとバーディーをとれた。後半は1つでも、最後の9番で微妙な3メートルのバーディーパットを沈めることができたし、いい終わり方です。パッティングの調子が良かったから、安心してプレーをできたことが大きい」と1日を総括する。

 好調期間が長く、安定感が抜群という特性を支えるのは、即断。「よほどの強風でない限り、クラブ選択はすぐに決める。あまり迷うことはない。もし、第1打でミスをして、パーがとれればラッキーという場面があったとしましょう。もし、そんな時はボギーになっても他のホールで取り返せる。そういう感じでプレーをしています」。シーズンは長い。良いことばかりが続くわけではない。「私は、スパッといきます」と少し力を込めて答えている。 

 もちろん、練習もそうだ。「調整のために毎日、続けている。しかし、長い時間やるわけではない。朝のパッティング練習でも、2-3分ぐらいの時もありますよ。いいなぁと感じればオッケー」という感覚派である。4月1日の思い出をたずねた。「あっ、エイプリルフール。思い出ありますよ。トレーナーさんから突然、LINEがきた。離婚したって…。深刻な内容でした。あれほど、仲がよくても離婚するんだって思っていたら、エイプリルフールの嘘。それがわかって、安心しました。よかったなぁ」。プライベートはおおらかでやさしい、ヤマトナデシコである。

(メディア管理部・中山 亜子)

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