2021.4.2
山下美夢有 夢のプロ初Vへ準備万端
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第19戦『ヤマハレディースオープン葛城』(賞金総額1億円、優勝賞金 1,800万円)大会第2日が4月2日、静岡県・葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(6,564Yards/Par72)で行われた。通算9アンダーで首位に立ったのは、プロ2年目の山下美夢有。2打差の通算7アンダー、2位は高橋彩華、通算6アンダー、3位タイで鶴岡果恋、渡邉彩香が続く。さらに5位タイの通算5アンダーが、地元・静岡出身の小楠梨沙、上田桃子。
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新世紀世代からまた1人、ニューフェイスが台頭しようとしている。笹生優花、西郷真央らと同じ2001年生まれの19歳、山下美夢有(みゆう)が4バーディー、1ボギーの69。通算9アンダーで首位に立った。
第1日とは一転。風が強まり、JLPGAツアー屈指の難コースが本来の顔をのぞかせた。インスタートのこの日は、ひたすら我慢。「チャンスがこない。パー5で、何とかバーディーを」と、15番で勝負へ出た。残り83ヤードの第3打。58度でピン手前3メートルにつける。落ち着いて、バーディーを決めた。
流れを引き寄せ、16番でも連続バーディー。18番は第3打が「アゲンストだと思って打ったら…。風の読み違いでした」。グリーン奥へ12メートルもオーバーして、3パットのボギーで、より一層、気を引き締めたという。それが後半、2バーディーを積み上げた要因だ。
身長150センチ。一念発起して、プロテスト合格後は水を入れたポリタンクを使用しながら、独自にパワーアップを図った。また、両足首へ重り付きのベルトを巻き、走る。さながら、スポ根をほうふつとさせるトレーニングで努力を続けた。筋肉量、体重が1年で4キロ増えている。さらには、ショートゲームに磨きをかけるため、約300万円の弾道計測器「トラックマン」を購入。ボールの速度、クラブの軌道、フェースの角度などのデータを蓄積し、自身を知ることも課題のひとつにしている。「おかげで、距離感が良くなった」。ここまでのプロセスが大正解だったことを、葛城で示している。
一方で、1月には同い年のアマチュアゴルファーと、栃木県内で中嶋常幸から指導を受けた。その中には、優勝争いの心得まで。「恐れず、プレッシャーを楽しむつもりでプレーする。順位ではなく、スコアへ集中」は、一生の金言となった。首位に並んだことはあっても、単独は初めて。その気分を、「うふふ」と、控えめな笑みで表した。
(オフィシャルライター・宮脇 廣久)
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