2021.4.2
高橋彩華 18番で発揮した成長の証
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)第2日
Vのシーンが鮮明になりつつある。高橋彩華、パー5の最終18番。第3打は残り60ヤードだった。58度のショットはピンをオーバーしたものの、着地後にスルスルと戻ってくる。1メートルにつけ、楽々とバーディーで第2日を締めた。
「あの1打がすごく大きい。奥でボールが止まるかなぁと思ったけど、うまくいきました。そこまでの計算まではしてはいなかったけど…」と、目を丸めている。この日もアンダーパーをマーク。3バーディー、2ボギーの71で通算7アンダーとした。首位の山下美夢有に2打差の2位でも、「この2日間、イメージ通りのボールが打てた。残りの2日間、こういう感じで行ければ、可能性がある」と手応えを話す。
風が強く、前日とは一転のコンディション。コースの難度が増す。「ダブルボギーだけは打たない。そういうマネジメントを心掛けた。風は、一定方向から吹くわけではない。回っているし、読むことが難しい。疲れました」と、フッとタメ息が漏れた。コースが選手を育てる。実感したのは昨年12月の全米女子オープン。アンダーパーがわずか4人の死闘だ。しかし、日本人選手では渋野日向子の4位に次ぐ、11位の成績をおさめた。
その最終日、リオ五輪を制し、米ツアーで賞金女王2度の実績がある朴仁妃(パク・インビ)と同組でプレーしている。「飛距離が私と変わらない。でも、マネジメントが完璧だった。世界一のすごさを目前で見て、本当にすごいなぁ」。どんな時でも、最悪を想定しながら、最善をつくすことを目指すようになってきた。
黄金世代の1人で、ライバル探しには事欠かない。畑岡奈紗、勝みなみ、渋野日向子、原英莉花らの活躍に続き、今年は小祝さくらが4戦2勝。「勝ちたいという気持ちばかりが強すぎて、空回りしていることにも気がついた」そうだ。前週は3打差の3位。もちろん、調子はいい。「2勝目、3勝目は、狙って勝ちたい」と前置きし、「ツアー初優勝は、気がついたら勝っていた-そんな感じが一番でしょう。やるべきことを行うだけです」と続けた。
意外な気がするが、「日本酒がめちゃめちゃ大好きです」。それはそうだろう。酒どころの新潟出身である。ちょっと、気は早いけど、「高級な日本酒を飲んでみたい」と、顔を赤らめた。そして、さっそうと練習場へ向かう姿がさらに頼もしく映る。18番のバーディー奪取は、日々の練習が与えたものだった。
(オフィシャルライター・宮脇 廣久)
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