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2021.4.15

ワンショットへ込める 上田桃子、究極のメッセージ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

KKT杯バンテリンレディスオープン 熊本空港カントリークラブ(熊本県) 指定練習日

 この日の表情は、清々しかった。上田桃子は、高ぶる気持ちをグッと抑え込むように、「皆さんへ、このショットを見たかった。そう感じてくださるように、今年は印象に残る1打を届けたい」と力を込めている。

 「故郷・熊本で唯一のトーナメント。それも、ジュニアの頃からプレーをしているコースです。高校時代の3年間は、練習はもちろんのこと、週末はここでキャディーのアルバイトをした。メモがなくても大丈夫。そのぐらい、コースのことが脳へ刻まれている」というほどのホームコースなのだ。07年、優勝を飾っているが、できることなら毎年、勝ち続けたい。そんな気持ちが伝わってくる。

 昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、開催中止。今年こそは、ギャラリーの目前で、素晴らしいプレーを展開したかったに違いない。しかし、コロナ禍で無観客開催の措置がとられた。「熊本の皆さんはゴルフが大好き。無観客開催はとても残念です。だから、せめて私ができることは、テレビ中継でクローズアップされるようなプレーをすることでしょう。上位はもちろんだけど、究極のワンショットが打ちたい」。

 14日、熊本地震から丸5年が過ぎた。「長いようで短い。仮設住宅で418人の方が暮らしていらっしゃることを考えれば、まだ5年なんだなぁという気持ちがしました」と、しみじみと語っている。それだけに、明るいニュースといえば、地震で大きな被害を受けた熊本城の天守閣が完全復旧したことだ。

 「毎年、初詣は熊本城の横にある加藤神社。そこから天守閣を見上げるたびに、熊本を守っているんだなぁ、と思います。今年、天守閣が復旧して、前へ進んでいることを確認。苦い思い出ばかりではありません。熊本城を見ているだけで元気になってくる。やっぱり、熊本人は、熊本城。格好いい」と、復興のシンボルへ敬意を言い表した。

 感謝の心を込めたワンショット。さて、いつ飛び出すか-。

(メディア管理部・中山 亜子)

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