2021.7.9
60台を4日間-西村優菜が首位浮上
<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第33戦『ニッポンハムレディスクラシック』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)大会第2日が9日、北海道苫小牧市・桂ゴルフ倶楽部(6,763ヤード/パー72)で行われた。通算8アンダーで首位に立ったのは西村優菜。6バーディー、2ボギーの68をマークした。1打差の通算7アンダー、2位は森田遥。通算6アンダー、3位の勝みなみが続いている。また、東京オリンピック代表・稲見萌寧は通算3アンダーで11位タイ。3試合ぶりに予選通過を果たした。
西村優菜の公式会見を拝見する度に、感心することがある。質問者が替わると、座り直して正面で対峙。首位に立ったこの日も同様だった。淑女の如し-で、一喜一憂することがない。「毎日、4アンダーでプレーすることが目標です。2日間、目標を達成できた。うれしいです。今回に限らず、順位を気にしたことはありません」と、信念に支えられたスタイルを語る。
とはいうものの、少しだけ後悔が残ったのは、17番の第3打。「グリーン手前のフェアウェイからどう対処するか。ウェッジ、それともパターを使うか…。もう少し考えればよかった」という。なぜなら、パターを選択したがピンを2.5メートルもオーバー。ボギーを叩く。「もったいないことをしたと思います。同じボギーでも15番は池へ入れたから仕方がない。ここまでは、とても内容が良かっただけに、ウェッジでスピンを効かせても良かった。それで、マイナス15点。採点は85点です」と厳しかった。
2番で、上昇のきっかけをつかんだ。第1打が左ラフ。そして第2打もグリーン横のバンカー、と内容がいまひとつだった。結局、4メートルのパーパットが残ってしまう。「絶対に決めなければならない。集中した。いいストロークだったと思います」。強さの源を少しだけアピールし、小さなガッツポーズをつくってみせている。
第2日は6バーディー、2ボギーの68。「雨が降っていたきのうより、距離が短く感じた。持ち球のドローボールをより多く打てたからでしょう」と話した。続いて、具体例を示す。「18番の第2打です。きのうは3Wでしたけど、きょうはUT。クラブでいうと5番手ぐらいの変化がある」そうだ。スタッツを調べると、ドライビングディスタンスが平均221.50ヤード→同244.50ヤードとアップした。
にもかかわらず、スコア60台をマークしたのは出場選手で、わずか8人。「晴れていても、横風が強く吹いていた。アゲインストとフォローの判断がすごく難しい」と説明し、「風の影響を最小限に抑えるため、ライン出しのショットを多くした」。6番のピン手前3メートル、9番ではピン奥1.5メートル、14番はピン手前2メートルなど、チャンスを演出する鋭いショットも随所で披露する。
それにしても、4日間大会は強く、安定感がある。5月、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで優勝を飾った。ルーキーの今シーズン、4日間大会で予選落ちを喫したのは、デビュー戦のアース・モンダミンカップだけだ。「じっくり60台のスコアを積み重ねる。ゴルフに限らず、コツコツと行くタイプです。難しいコースもプラスに作用している」と分析した。150センチがコース内では大きく映るのは、理想だけを追求する前に、自身の長所を最大限に生かす術を熟知しているから。コースに対し、常に敬意を表すことも、公式会見の所作を見れば一目瞭然だ。
(メディア管理部・中山 亜子)
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