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2021.8.29

稲見萌寧シーズン7勝目 鮮やかな逆転V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第39戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)大会最終日が8月29日、北海道小樽市・小樽カントリー倶楽部(6,775ヤード/パー73)で行われ、稲見萌寧が通算16アンダーで逆転優勝。今シーズン7勝目、通算8勝目をあげた。1打差の通算15アンダー、2位は全美貞。3週連続優勝を目指した、ホステスプロの小祝さくらは通算6アンダー、11位タイだった。
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《グリーン=スティンプ:13 3/4フィート コンパクション:23mm》

 鮮やかな逆転。稲見萌寧の真骨頂がクローズアップされた。通算16アンダー、堂々のスコア。しかも最終日はノーボギーのプレーだ。前週、逆転負けを喫しただけに、本当に強い内容。女王のプレーとでも表現したくなる。

 「勝因は、最終組でプレーしなかったことです。ピリピリとした感じをまぬがれた」。やはり、前週の最終日が脳裏に刻まれていたのだろう。この日はスタートから表情が明らかに違う。1番でピン奥から10メートルのバーディーを決めた。幸運がほほ笑みそうな日曜日の朝。

 ただし、無理はしない。チャンス到来を静かに待った。5番、残り140ヤードの第2打を8Iでピン30センチへ。これぞショットメーカーというアピールのようだ。さらに、パー5の6番でも第3打を1メートル。連続バーディーで優勝への流れをつかんだように映った。

 もちろん、サンデーバックナインは自身の代名詞。とにかくソツがない。つけ入るスキを与えなかった。ただし、キーホールについて、「16番だと思います。あれほどの難度。パーセーブできたことが本当に大きい」と解説。終盤、猛追する全美貞が1打差に迫ったものの、すでに勝負はついていた。

 「前週のリベンジができて、良かったと思います。きょうは、第1打がまずまずで第2打も安定していた。風が強かったし、ノーボギーのプレーはうれしい」と前置きし、「でも、私の感覚では調子がいまひとつでした。マネジメントがうまくいって、落ち着いてプレーできたことが大きい。特に小樽はこれまで苦手でしたから」と、ごく控えめに語っている。

 事あるごとに、「勝ち続けたい」と繰り返す。この日の会見も同様だった。確かに、内容は素晴らしい。とはいえ、スタッツをみると、なるほどと感じた。フェアウエイキープ=11/14、30パット、パーオン率は17/18。完ペキ主義者を自任するだけに、もっと良化の余地がたくさん残されているのだ。

 そうはいっても、これでシーズン7勝。ツアー施行後、この偉業を達成したのは不動裕理、イボミ、鈴木愛の3人がいる。共通するのは、そのシーズンで3人が賞金女王のタイトルを獲得したことだ。にもかかわらず、稲見は小祝さくらに続く2位。

 「初めて知ったことですけど今、状況が違います。試合へ出場するメンバー、みんなが強い。独走しているわけではありませんよ」と説明した。ちなみに、コースセッティング担当の塩谷育代は、最終日のプレーを「100点」と絶賛。

 ところが、「ノーボギー、60台のスコア、逆転の内容、リベンジができたことでは100点。しかし、私の100点は各試合で70-80点を続けることです」と改めて宣言したことが、稀代の勝負師らしい。確かに、JLPGAツアーは新時代である。

(メディア管理部・中山 亜子)

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