2021.11.4
鈴木愛 グリップ変更で『しっくり』『びっくり』
TOTO ジャパンクラシック 瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)第1日
ボールをしっかり操る。鈴木愛が披露した。6番、残り80ヤードの第2打。54度のイーグル奪取は久々に美しいカップインだった。
「結構前でプレーしていた上田さんの組から、歓声が聞こえた。今回は無観客ですからね。イーグルを決めたんだ-と思った。そうしたら私も-です」。びっくりと同時に、笑みが広がった。3試合連続で予選落ちを喫している。どん底とまではいかないが、深刻な状況だった。
不調の要因はショットの不調。パッティングの名手の前に、ショットメーカーである。チャンスをつくることができない。「このひと月半ぐらい、グリップがしっくりとこなかった」という。
賞金女王を2度獲得。不調を察知すると、原因を徹底的に調べる。コーチがいないだけに、すべて一人で行う。修正力も確かだ。それだけに、「左手の握り方に原因があることはわかっていた。でも、グリップを変更するとボールが左へ飛んでいきそう…。そんなイメージが重なって、クラブが振り切れない。勇気がなかった」と前週末、猛省した。
天才肌で器用。練習ではできても、試合で果たして-。「きのうから、がんばった。握り方を変えました」と語り、変更点をわかりやすいように説明する。写真でもおわかりのように約2センチ、左手首を内側へ。「そうしたら、いいショットが出た。やってよかったです」と、うなずいた。
2位タイの好スタート。19年には今大会を含む、3週連続優勝を達成し、一度はあきらめたタイトルを獲得している。「握りを変えることは、勇気を出したからです。きょうは、私をほめてもいいかなぁ」。勇者のオーラを放ち、名手は復調を確信した。
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