2021.11.4
指一本分でゲキ変 小祝さくら首位スタート
<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第49戦『TOTO ジャパンクラシック』(賞金総額2億2000万円、優勝賞金3300万円)が11月4日、滋賀県大津市・瀬田ゴルフコース北コース(6,616ヤード/パー72)で開幕した。今季の残り試合は、今大会を含めて4戦。ラストスパートである。もちろん、第1日からスーパープレーが続出。小祝さくらが65をマークし、7アンダーで首位に立った。2打差の5アンダー、2位タイは仲宗根澄香、渡邉彩香、4アンダー5位タイで菅沼菜々、上田桃子、古江彩佳、鈴木愛が続く。
2週連続Vを目指す、渋野日向子は笹生優花、稲見萌寧とともに1アンダー、24位タイからジャンプアップを目指す。
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《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:23mm》
わずか1センチ、指1本分の幅が復調を後押しした。小祝さくらが8バーディー、1ボギーの65をマーク。約1カ月ぶりに好スタートを切った。
上昇のキーポイントは、ティーアップの高さ。それも、「指一本の幅。1センチ低めにしたら、飛距離が出るし、方向性が安定した。ミート率が上がったように思います。前週の第2日から、変更しました」と明かしている。
傍からすれば、そんなことなら、なぜもっと早く-と感じることだろう。「ティーが低いとひっかけ気味になりそう。なかなか、怖くてできない。でも、勇気を出してトライしたら、いいボールが打てた」。まさに、目から鱗が落ちるとは、こんな時に使う表現かもしれない。
連続出場は続けているが、もっかの賞金ランキングは3位。シーズンの目標と公言した「賞金女王」は、「今は考えていない。たとえ、ダメだったとしても、ここから優勝できたらすごく大きい」と気持ちを切り替えている。
というのは、「ここしばらく、タイトルなど考える余裕はない。とにかく、毎日のラウンドで修正のことばかり…。おかげで、攻める、狙う-など、そういった気持ちがまったくなかった。でも、今回は気合を入れないとまずい。奮い立たせている」。
1Wの安定は、素晴らしい好循環を生む。ピンを狙うショットは当然だが、「パッティングまで、すごくいい。ショットとパッティングがすべて良かったのは本当に久しぶりですね」と、例によって淡々と語るだけだが、両眼からうれしい、とのメッセージが伝わってくる。
4メートル以上のバーディーパットを、この日は5回もカップインさせている。7番で披露した、8メートルのバーディーはお見事。プロゴルファーにとって、バーディーは特効薬なのだ。
第1日1Rを加え、シーズンのバーディー数は537に。前週まで、1試合平均で約11個を奪っている。そして、あまり目立たないものの、60台のスコアをマークしたのは、シーズン50回目。コロナ禍で異例の長丁場という注釈はつくが、このふたつの1位はすごい。
「65でホールアウトしたような気分ではありません。5アンダーぐらいと思っていた。というのはラウンド中、スコアを数えていなかったから」とも。さらに、続けた。「みんなが上手。私が調子を落とし、ランキングまで抜かされた。実力が足りません」。足元を見つめながら、つぶやく。
ただし、勝負の流れは常に流動的。1センチでガラッと変化することもある。ゴルフは不思議なスポーツだ。
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