2021.11.7
古江彩佳 通算7勝目も-スキなし圧勝V
<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第49戦『TOTO ジャパンクラシック』(賞金総額2億2000万円、優勝賞金3300万円)大会最終日が11月7日、滋賀県大津市・瀬田ゴルフコース北コース(6,616ヤード/パー72)で行われ、古江彩佳が通算16アンダーで逃げ切りV。今季6勝目、JLPGA通算7勝目(アマ優勝を含む)を飾った。3打差の通算13アンダーは稲見萌寧。また、渋野日向子がこの日、68をマークし、通算7アンダーで7位タイへ入るチャージを披露した。笹生優花は通算3アンダー、22位タイ。
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《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:23mm》
取りこぼしなし。スキなし。完勝である。古江彩佳のJLPGA通算7勝目は、これまでの優勝で最も強い内容かもしれない。3バーディー、ノーボギー。何といっても、2打差でスタートした稲見萌寧がプレッシャーをかけても、まったく動じる様子がなかった。我が道を行く-そんな印象だ。
「勝負は最後までわからない。ホールアウトするまで、安心することはなかった」としながらも、勝負をほぼ決定した16番を振り返る。「このホールだけは絶対、バーディーをとりたかった」。残り85ヤードの第3打を54度で4メートルにつける。決して簡単ではないミドルパットでも、きっちりとチャンスをモノにした。
一方、予選ラウンドの2日間、連続してボギーを叩いた2番でこの日、最初のバーディー奪取は、自身の真骨頂といえるだろう。残り150ヤードの第2打を8Iで3メートルへ。前日はパーセーブで、「難しいホールだから、ボギーでも仕方がない」という苦手意識を払しょくし、最終日のリベンジを期した。気持ちがボールへ乗り移ったかのように、きれいな回転でカップイン。見事なプレーは絶対に苦手をつくらない-プロの意地とプライドを見せつけられた。
崩れないスタイルは、さらに輝く。ボールを操るテクニックが素晴らしい。フェアウエイキープは14/14と100%。第3日、9/14で猛省していたことが脳裏に浮かんだ。「特にきょうは、ボギーをひとつでも叩くと、スキを与えることになる。フェアウエイでなければ、ゴルフが始まらないが、私の信念です」。
状況によって狙いは違ってくるものの、安全にプレーしたのは首位スタートのアドバンテージがあったからだろう。安全で慎重は、各ショットの直前、イメージを高めることから始める。「浮かべるのは弾道、キャリーです。以前から行っていたことですけど、今年のヨーロッパ遠征でもっと集中力を高めることの重要性がわかった」。
続けて、「エビアン選手権の最終日、同組でプレーしたミンジー・リーさんのプレーが焼きついている。パーセーブをしっかりしながら、最後にバーディーをとって優勝。すごくかっこういい。試合ではバーディーをとることよりも、パーセーブが大事だなぁと思わせてくれた。かっこういい-はボギーを打たないことです」と納得の表情を浮かべている。
コロナ禍で異例のロングランとなった今季は、残り3戦となった。自身はここ4戦で3勝。実質のルーキーシーズンながら、賞金女王のビッグタイトルも視界に入る。9月、住友生命レディス東海Cでは賞金ランキング1位の稲見との差が約7,248万円もあった。それを考えると、約400万円差に縮めた追い上げには舌を巻く。
これまで、指導を受けたのは父・芳浩さんひとり。しかも、ツアーへ帯同しているわけではない。トレーニングなどを含め、自身が考え、切磋琢磨しながら今日までのぼりつめた。現代では異色の選手といえるだろう。
最終戦後には、USLPGAツアーのQスクールを受験する。無限の可能性を秘め、ひたむきな努力を続けることは、充実した毎日に違いない。うらやましい。そして、かっこういい。
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