2021.11.18
鈴木愛 池ポチャ=パーセーブ&ロブ=チップイン
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
第40回大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)第1日
慣れ親しんだ四国へ戻った。鈴木愛は原点で一変したプレーを披露。首位から2打差の5アンダー、7位タイと好スタートを切った。5バーディー、ノーボギーの内容。しかも、この日は24パットだった。
ピンチでも動じない。これが本来のスタイルだろう。インスタートの10番で、いきなり6メートルのバーディーを決めた。これまでとはちょっと違う、ただならぬムードを醸し出した。前半のハイライトは17番。第1打を池へ入れてしまう。「次のショットもかなり左へ。そこから何とかグリーンへ乗せて、8メートルのパーパットを入れた」。スーパーパーセーブにギャラリーから祝福の拍手が送られる。
今大会は過去9回出場し、2位が4回、3位が1回。相性は抜群だろう。以前から、「アップダウンがあって、狙いどころが難しい四国のコースは、より集中できる」と語っている。そろそろ優勝が欲しい。
そして、第1日のハイライトともいえる、後半のハイライトが待っていた。これまたピンチで飛び出したスーパープレー。1番の第3打。「135ヤードを8Iで打ったけど、ダフってしまった。グリーンの左へ外し、残りは20ヤードぐらい。左からはすごく速いし、ロブショットで切り抜けるしか手がなかった」と振り返る。勇気を出して、挑戦すると、「すごく、うまく打てた。いいショットだと思ったら、カップへ飛び込んだ」と話す。
2017、19年の賞金女王。JLPGAツアー通算17勝の実力者だ。しかし、コロナ過で紆余曲折があり、今シーズンは7月の資生堂レディスオープンの1勝をあげたのみ。年間獲得賞金ランキング17位と、前5シーズンで最も悪い。「これが私の実力です」と控えめに語った後、勝負の世界の難しさを解説した。
「たくさん勝っていた時は運、タイミングなどいろいろなことが良い方向へ働いたと思います。きっと、実力以上の何かがあったのでしょう。でも、いいばかりは続かないものです」と現況に折り合いをつけているという。
ただし、努力を重ねるスタイルはこれまで通り。不調を打開するためだ。前週、こんなことがあった。
「(解説の)塩谷さんと、いろいろとお話をさせていただいた。自分に厳しすぎる-。少しでいい。自分をほめてあげましょう-。ポジティブな気持ちでプレーをしてみたら-。など、たくさん激励してくださった。ありがたいです。精神面で大きな力になりました」と心から感謝をする。
となれば、その気持ちをプレーに込めるだけだ。「毎年、エリエールレディスを優勝したいと臨んでいます。だけど、今回は勝敗を心の片隅に閉じ込めて、1打へ集中。努力はきっと報われる。今までもそうだったから…」。空を見上げて、ひとつ頷いた。
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