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2021.12.3

FRで本領 佐藤心結-11位で22年へ

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

QTファイナルステージ 葛城ゴルフ倶楽部(静岡県)最終日

 急がば回れ。通算3アンダー、11位でQTファイナルステージを終えた佐藤心結は、「豪華な先輩方とご一緒することができました。この4日間、とても長く感じたけど、いい順位で終わることができ、自信がわいてきたような気がする。22年、JLPGツアー前半から出場することができますね」とほほ笑んだ。

 今秋まで、ほぼ無名のアマチュア。ところが、スタンレーレディスで渋野日向子など4人のプレーオフへ加わり、プロがビックリするほどのスーパープレーを連発した。結果は2位。仮に優勝すれば、プロテストを免除されるはずだった。

 その後、ひと息入れるヒマはなし、プロテスト2次→最終プロテスト→QTファーストステージ→今大会と、失敗が許されない4試合を体験している。「ひとつだけいえることがあります。もし、スタンレーレディスで、仮に優勝していたら今の私はなかった。この2カ月で、強くなったと感じます。本当に良かった」と振り返る。

 最終日、目覚めると直感で、真っ白のウェア、パンツ、シューズ、キャップを選んだ。自身の心情をそのまま表したものだろう。だが、勝負は厳しい。2番で3パット。ボギーが先行した。「最初にボギーが来た。すごく苦しい。でも、5番で1メートルのバーディーチャンスを落ち着いて決めたことが大きかったと思います」と解説。6バーディー、3ボギーの69をマークした。前3日は73→72→70。スコアを伸ばしたところに大器の片鱗がうかがえる。

 「QTファーストステージでスイングを崩し、なかなか元に戻らない。それが今大会の指定練習日から、ショットの調子が良くなった」。この日、17番で1度パーオンを逃したが、他のホールは精度抜群である。最終18番、残り131ヤードの第2打を9Iで4メートルのバーディーチャンス。同スコアの場合、カウントバック式で順位が変動するだけに、絶対に決めたいシーンだった。

 「下りのフックライン。難しい。でも、17番がボギー。最後はバーディーで取り返したい」。気持ちがボールへ込められた。鮮やかなバーディーフィニッシュでバウンスバックへ成功する。

 「渋野(日向子)さんともう一度、試合でラウンドをしてプロになった姿をお見せしたいです」と、目標を掲げた。公式会見ではスラスラとバーディー、ボギーの内容を細かく語っている。抜群の記憶力も大きな武器。唯一、気にしているのは、「心結(みゆ)という名前を、正しく読んでくれる方が少ない」。

 いろいろな人とつながりができるように-との願いを込めて命名された。名前を大きくする-は落語、歌舞伎などの伝統芸能の世界だが、アスリートも同様。22年、開幕戦から全力でJLPGAツアーへ挑戦する。

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