2022.1.11
93期生・2022年の挑戦 佐久間朱莉
<Photo:Ken Ishii/Getty images>
561人が受験して、22人が合格。JLPGA最終プロテストは日本一の最難関資格試験のひとつだろう。2021年はコロナ禍で2度のテストが行われた。6月、合格した93期生は25.5倍の競争を突破してライセンスを手中に。22年、飛躍を胸に2年目のシーズンをスタートする。
佐久間 朱莉=2002年12月11日 埼玉県川越市出身
年明けから、地元・埼玉で実戦に備えて、猛練習の毎日。目標は2つある。「風の対策と、ショートゲームです」。練習場では、ドローとフェードのローボールを打ち分ける。そして、コースで、その成果を試す。「持ち球はドロー。だから、ローフェードが難しい。まだまだ、とは思っているけど、だいぶ打てるようになった。また、ショートゲームの精度も、さらに磨きをかけないといけない」という。
やることは山積状態である。とはいえ、そんな毎日も楽しそう。さすが、トップ合格だ。有言実行を旨とする。最終プロテストで「トップ合格する」と公言し、見事に実践した。ただし、確実な手応えがあったわけではない。「はやい時期から、言葉にしていた。トップ合格すれば、QTファイナルステージから-22年を目指すことができる。やはり、これは大きい。でも、実際に達成した際は私、できちゃった…。一番驚いたのは自分自身だと思います」と笑顔で答えた。
なるほど、予想以上の反響があったという。「全国のファンの方から、トップということで名前を記憶にとどめてくださっている。勝負の世界、1位と2位ではこんなに違うものかと、改めて知りました」。それだけに、鉄は熱いうちに-とばかりに、シーズンの目標は、「ツアー初優勝と、シード権獲得。自信があります」と、歯切れが良い。
プレーの最大特性は、1Wの精度だ。かといって、飛距離を犠牲にしているわけでもないらしい。指導を受けるジャンボ尾崎は常々、「クラブを振り切れ」とゲキが飛ぶ。もちろん、練習では「マン振りです」と前置きし、「試合では毎ショット、7、8割でクラブを振るイメージ。それが身についたのでしょう」と話した。曲がらない人は、こうしてティーショットのアドバンテージを握る。
一方で、QTファイナルステージでは貴重な経験をした。「最終プロテストとは違った緊張感。翌年の職場を取り合う試合。皆さん、それなりにピリピリして、しかもベテランの方も多かった。私は初体験、ちょっとオドオドしてしまいましたね」と振り返る。結果は14位ながら、前半戦の出場権を確保した。
アマチュア時の19年、樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントで、ローアマを獲得。ゴルフ界のレジェンドだけではなく、故郷の大先輩から祝福を受けたことが精進を後押しした。
「ご一緒に記念撮影。それから、おめでとう-と声をかけてくださった。本当に素晴らしい思い出です。でも、私も樋口さんと同じ、川越出身です-といいたかったけど、ご本人を前ではまったく言葉が出てきません。あれほど、緊張したこともありませんね。次にお会いした時は必ず、私からごあいさつします」と誓っている。
新時代のスター候補。21年、ステップ・アップ・ツアー京都レディースオープンでプロ初優勝を飾った。22年はJLPGAツアーで、まず1勝を狙う。
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