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2022.1.13

93期生・2022年の挑戦 阿部未悠

<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>

 561人が受験して、22人が合格。JLPGA最終プロテストは日本一の最難関資格試験のひとつだろう。2021年はコロナ禍で2度のテストが行われた。6月、合格した93期生は25.5倍の競争を突破してライセンスを手中に。22年、飛躍を胸に2年目のシーズンをスタートする。

 あべ・みゆう=2000年9月27日、北海道恵庭市出身

 3月の開幕へ向け、練習とトレーニングを重ねている。「貴重な準備期間です。オフは長いようで、短い。毎日、集中して取り組んでいる」という。

 集中力はプロゴルファーにとって、欠かせない資質だ。インパクトの瞬間、勝負が決まる。そして、マネジメントをつかさどる、想像力も大切。このふたつを幼少時から、意外なもので鍛錬した。

 「本を読むことが、大好き。風景、登場人物の顔や性格などを、自然に脳裏へ浮かべる。活字を通して、私だけの世界観をつくることができます」と話す。小学校では、こんなほほえましい失敗の思い出もある。「昼休み、図書室で本を読んでいたら、午後の始業チャイムが耳に入ってこない。次の授業まで、本を読んでいたことがありました」。現在も本を手放せない。なるほど、読書は一生の趣味である。

 ところで、調整のポイントは-。「ドローヒッターです。今、取り組んでいるのは、ドローボールを安定させること。同じ球筋を何度も打てるようにしたい。クラブを振るのは体だけど、体にも覚え込ませ、その上で両脚をうまく使ったスイングができるようにがんばっています」と、身振り手振りを交えて、説明してくれた。

 さらに、「シーズンは長い。スイングが崩れる日もあるでしょう。でも、うまく修正ができるようにしたい。再現性の高いスイングを身につけたい」。もちろん、時間がかかるのだが、ボールを打つ日には、最低でも500球。素振りが中心の日は、ゆったりしたリズム、速いリズム、ハーフ、3クォーターなど、異なるものに対応できるか、体の感覚を確認している。理想のスイングを求め日々、試行錯誤を繰り返している。

 10歳で、ゴルフを始めた。「今の選手からすると、遅い方だと思います。初めて、試合に出たときは、みんな経験が長く、すごくうまい。早く、うまくならないと追いつかないと、必死になった」。ひと息ついてから、こんなエピソードを明かしている。

 3歳からクラシックバレエを。「本気でバレリーナになる-と思い込んでいた。もちろん、それがゴルフにも生かされている。すごい方向転換だったけど、プロゴルファーになることはそれほど魅力があった。理由は、バレエは節制が厳しくご飯を好きなだけたべることができない。対照的にゴルフは体が資本。たくさん食べるとホメられますからね」。お説、ごもっともだった。

 北海道は冬期間、コースが閉鎖される。中学からは道外へ。苦労を重ねて、最終プロテスト2回目の受験で合格した。QTファイナルステージで23位。今季前半戦のJLPGAツアー出場権をつかんだ。22年の目標は「シード獲得です。また、北海道開催の試合には、すべて出場したい。第1回リランキングまでがひとつの勝負。たくさん経験を積んで、夏にピークを持っていく」とプランを立てている。北海道出身のシード選手は過去8人。集中力がモノをいう。

(メディア管理部・中山 亜子)

【北海道出身シード選手】
大塚有理子、大場美智恵、菊地絵理香、小祝さくら、谷福美、中田美枝、藤田光里、吉川なよ子


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