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2022.2.17

93期生・2022年の挑戦 フォン スーミン

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

 春の訪れを待っている。561人が受験して、22人が合格。JLPGA最終プロテストは日本一の最難関資格試験のひとつだろう。2021年はコロナ禍で2度のテストが行われた。6月、合格した93期生まれは25.5倍の競争を突破してライセンスを手中に。22年、飛躍を胸に2年目のシーズンをスタートする。

 フォン スーミン=1995年4月7日、中国広西省出身

 佳境を迎えた北京オリンピックを連日、観戦しながら、「もっと、もっと努力をしなければいけない。目標が明確なら、もっと努力できる」と誓ったそうだ。24年、パリ五輪へ向け練習を精力的に行っている。

 ロレックス・ランキングは中国で15番手。441位(22年2月7日現在)だが、成績しだいでは目標が現実になる。ひとたび、きっかけをつかめば上昇一途の例はJLPGAツアーでも渋野日向子、稲見萌寧、古江彩佳の例があるだけに、よしっ、私も-という好循環が各選手のハートを熱くした。

 孟母三遷の教えにあるように、幼少時からスポーツをはじめ、ゴルフは9歳からスタート。よりよい環境を求め、両親とともに渡米するというのだから、驚かされた。

 「父が香港で会社を経営している。まさか、出勤するわけにはいかないから、メールやリモートで仕事をするようになった。ゴルフをするのは、環境を考えればやはりアメリカがいい。私も、大賛成でした」といい、「両親がどうしても、私をアスリートにしたかった。プロゴルファーに限ってはいません。3歳からテニス。ただ、ゴルフは半年間で、すごく成績が伸びた。比較すると、テニスは伸びが少ない。自然にゴルフへ移りました」と経緯を語った。

 日本のツアーへ初出場は、アマチュア時の11年。13年にもサントリーレディスへ出場した。そして、目標の選手とした大山志保と出会う。「練習ラウンドで、すごく親切にしてくださった。その他のことでも本当にお世話になりました。大山さんは、それ以前から日本のトッププロで、すごい成績をおさめていることは事前に把握していたけど、人柄まで素晴らしい」と、大ファンに。

 さらに、17年の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯では、(JLPGAが特に認めた)アジア地域の女子プロ枠で出場する。会場では、「大山さんが覚えていてくださって、先に声を掛けてくださった。すごく感動し、ますます日本が好きになりましたよ」と話している。

 19年、最終プロテストは2打及ばなかった。ただし、規定で20-21シーズンはTP単年登録で、ステップ・アップ・ツアーへ出場。ユピテル・静岡新聞SBSレディースで初優勝を飾った。コロナ禍でもうまく調整を行い、20年6月の最終プロテストで合格。177センチの長身だが、「攻めるスタイルではありません。得意技はウェッジ。ターゲットの3ヤード以内に寄せてチャンスをつくります」。笑顔をつくった。今シーズン、QTランキングは86位。ステップ開幕戦へ、静かに春を待つ。

(メディア管理部・鈴木 孝之)

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