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2022.4.21

さらに上昇 植竹希望は1打の執着を-

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

40th フジサンケイレディスクラシック 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)

 実にいい表情だ。表現は適当ではないかもしれないが、この日の植竹希望はすっきりした顔。まるでつきものが落ちたように清々しい。なかなか手が届かなかった初優勝のプレッシャーを、見事に跳ね返したからだろうか。「ゴルフの調子はかなりいい。疲労が抜けました。あす以降が楽しみです。今夜、しっかり睡眠をとって」と言葉が弾んだ。

 念願のJLPGAツアー初優勝をようやく、つかんだ。とはいえ、ほっと胸をなでおろしたわけではない。さらなる自覚、向上心がわきあがってきた。「ちょっと休みたい。少し前は、そんな選択肢もあったけど、今は(試合へ)出なければダメ。そんな気持ちです。今大会は、コースはもちろん。景色がきれい。素晴らしいです。ポイントは、高麗グリーン。しっかりとストロークできれば、大丈夫です」といい、「2週連続優勝って、とても難しいことだと思う。私はコツコツと地道にやるタイプですから。でも、前週以上に1打の執着心を落とさないように心掛ける。おろそかにしませんよ」と続けた。

 17日、熊本空港から会見でお世話になっていることを明かした、森口祐子へ優勝報告を電話で。「(優勝したい)欲が出たミスがあった。戦っている選手をみて、(スタイルを)変えてはいけない-と感想をいただいた。もちろん、先にお礼をいったけど、またありがたいアドバイスをくださり、もっと頑張らないといけない、と肝に銘じた」と話している。

 素直で気さく。見ているだけでエールを送りたくなるようになる。初優勝をあげた直後から、全国からお祝いのメッセージがSNSで、あわせて600件も届いた。その中には、同期の渋野日向子からも。すべての方へ当日、返信をすませた。あわせてスポンサーなど、お世話になっている人には、お礼の電話を。実に律儀だ。

 「特に、(用具契約をする)ヤマハさんは以前から私の方で、ぜひ使わせてください、とお願いした。成績がいまひとつの時も、もっとやれる、と励ましてくださった。いい報告と、恩返しができた」と笑顔を浮かべる。

 一方、女子選手では珍しいぐらいのクラブマニアだ。ジュニアの頃、練習場で知り合ったクラフトマンから、「クラブがわからないと、スイングが語れない」と、金言を授かったのがきっかけだ。努力家であることは、もちろんだが、勉強家。「試合で試したいクラブがあったけど去年、シードをとったばかりで踏み切れなかった。でも、前週の優勝で一歩、踏み出すことができる。今週から新しいウェッジを試します」と宣言した。

 さらに、「リンクスで天候、風などで運もあるでしょう。優勝したことで、勢いがつきました。すべてを味方にします」。質問の答えが的確で、しかも期待以上のことを包み隠さずに話してくれる。

 集中しているのはコースでも会見場でも同じこと。さっそく、有言実行だ。

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