2022.6.11
尾関彩美悠 春過ぎて-激変
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)第3日
ついに、ついに来た。ルーキーの尾関彩美悠が第3日のベストスコア67をマーク。通算9アンダー、2位タイで初の優勝争いへ参戦する。
この日は終始、落ち着いていた。6番で4メートルのバーディーを決めると、続く7番はショットの切れ味が光る。残り130ヤードの第2打を9Iで1メートルへ。連続バーディーで一気に上昇した。
さらに、ハイライトといえそうなのが10番。残り114ヤードの第2打で、あわやイーグルのシーンにギャラリーがわいた。わずか10センチ、カップへ届かない。残念でも、笑顔のバーディーは見ていてほほえましい。
今大会、主催者推薦選考会を通過しての出場だ。昨年11月、最終プロテストでトップ合格を果たした。しかも、事前に「トップで合格」を高らかに宣言してのもの。アマチュア時代、日本女子アマで優勝。渋野日向子の後輩で、近い将来のスター候補と前評判が高かった。ところが、今季は6戦して予選落ちが4回もある。
「毎年、春シーズンは調子がよくない。中学からずっとそうです。成績が出ません。だから、焦らず、いつもの感じで調整してきました」と、気にする素振りなど全くなし。このあたりが、大器を思わせる。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
なるほど、その言葉通りだった。5月下旬のリゾートトラストレディスで一変。初のトップ5フィニッシュを決めた。その理由を、「(コーチの)父と、まぁ、春はいいか、と話していました。私は、6月が誕生月。それまでには良くなるという確信のようなものがあって…」。
そして、今回へ至ったというわけだ。「良くなった要因は、グリッププレッシャーを解消できたことだと思います。リラックスしてショットをするようにしたら、これだ-と気がついた。過去の映像などを何度も何度も見てもわからなかったのに、ほんの少しのことで良くなった」と話した。
実は、一発勝負の主催者推薦選考会では、こんなことも。「前夜、寝返りをうった際、背中を痛めた。9ホールを終わって棄権をしようと考えたけど、スコアが1アンダー。痛みを我慢して続けたら、パッティングが良くなって選考会を通過できた」そうだ。
調子はもちろんだが、運気も急上昇ということだろう。こうなると、初優勝が視界へ入ってくる。ただ、「主催者推薦で出場させていただいている立場です。優勝なんて、そんなに簡単なことではありません。実際、私が優勝をそこまで意識しているわけでもない。学生の頃から、何も考えてなさそう、と周囲からいわれていました」。あっけらかんと告白した。
とはいえ、目前に訪れたピッグチャンスを生かさない手はない。「寝ることが好きです。最低8時間は睡眠をとる。もちろん、今夜も」。大仕事をするために、体調を整える。
リランキングで後半戦の出場権も手中にしなければならない。最終日、今季の命運をかけて挑む。
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