2022.6.23
佐藤心結『直感で即決』の極意
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)第1日
的確でしかもムダなし。佐藤心結が66をマークし、好調をキープしている。ルーキーシーズンは、すでに約3分の1を消化した。いったいどこが違うのか。
「冷静な判断ができるようになってきました。たとえば、クラブ選択。以前は悩んで、少し時間がかかっていたように感じる。でも、今は直感で即決です」と話した。要は迷いがない。経験の賜物だろう。
さらに、「シーズンの序盤では、無理にピンを狙ったり、一か八かの判断が多かったかもしれない。振り返ってみると、そういうマネジメントがスコアを落とした原因だと思います。ピンチの時、パーセーブのために最良の選択は、クラブを一番手あげるか、下げるか-という冷静な判断ができていなかった」とはじき出したそうだ。
この日、奪ったバーディーは8つ。オオッ、とギャラリーが印象に残ったのはパー3の13番だった。「持ち球はフェード。風が左からのアゲンストでしたから、ひと番手あげて風に乗せることを選択した。描いていたとおりのボールです。100点のショット」。打球はピン方向へ飛んで、カップから50センチで惜しくも止まった。
「入りそうでした。入っていたら120点…。でも、まだチャンスはある。ホールインワンができたら最高ですね」と、聞いているこちらまで気持ちがいいぐらい、ハキハキと状況を説明している。
とにかく、プレーといい、トークといい素晴らしい。社会人1年目とは思えないほどの態度に舌を巻く。前週は最終日、最終組でプロとして初の優勝争いを演じたが、5位に敗れた。当日、反省はすぐにすませて気分転換にあてたという。
「くよくよとゴルフのことを考えたら、先へ進めません。反省はしても、好きなことをして気分転換。ゲームをしました。Switchの大乱闘スマッシュブラザーズです」と明かしている。
その上で、優勝した西村優菜を、「パッティングすべてがきれいなストローク。すべてカップへ入りそうでした。ここぞというところで決められないと、良い流れが来ません。5メートルのバーディーチャンスを、すべて決められるようにならないとスコアが良くならない。また、私はストロークの時、ボールの行方が気になって、ヘッドアップがはやい。テレビを見て気がついたことです」。教訓に変え、試合で実践したそうだ。
それだけに、「きょうの2、9番はファーストパットのミスがボギーを招いた。少しもったいないです。反省-」と笑顔で答え、「あすは風が強くなる予報。低いボールを打つこと、それから耐える準備を行います」。賢く、しかも明るい。余談だが、スマブラはかなりの脳を使うゲームだ。相手と対じする際、一方的な視点ではなく、2つの視点を駆使して勝利をおさめなくてはならない。今大会も大混戦は必死。ハイスコアのバトルをどう戦い抜くか。
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