2022.6.25
金田久美子 7年10カ月ぶりの大一番
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)第3日
非凡な才能が枯渇したわけではなかった。元祖・天才少女の金田久美子が復活へ向けて、上昇へ転じている。ムービングデーのこの日、ベストスコアタイの69をマークした。通算5アンダー、最終日は7年10カ月ぶりの最終組でプレーする。
「60台のスコアでプレーできた。大満足」と総括。続けて、「前半でバーディーがきたし、ショットの精度がとてもいい。目標はイーブンパーだったら-と考えていたし、後半でショットがいまひとつになっても、気持ちに余裕があった」と話した。
なるほど、前半はショットが安定し、パッティングの調子も上々。特に第3日、最も印象に残ったのは12番だ。第1打が深いラフへ。残り150ヤードの第2打は8Iを選択したが、グリーンへは届かない。
第3打は残り20ヤード。58度でチップインバーディーを決めた。ピンチをチャンスに変える勝負強さを披露。これもけがの功名からきたものだろうか。昨季、腰痛を発症し、スイングができないどん底状態へ陥る。自身のスタイルをすべて見直した。
「私の場合、休むにも勇気。腰を痛めてから疲れていたら練習をしないようにした。従来はどんな時でも決まったルーティンがあり、練習を休んだことはなかったのに…。それでよけいに悪くしたこともあった。でも、最近は体と相談しながら無理のないようにしている。年齢と向き合ってみた。これも、ひとつの勇気を出した行動です」という。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ゴルフ歴は3歳から。32歳の大転換である。一方で、技術面でも光明を見出す。
飛距離を追い求めることに終始していたが、「腰を痛め、フルスイングができなかった。その時、ハーフスイングでショットをしていたら、うまく乗り切れる。1Wでも8割です」と説明する。一方で、今大会は「100ヤード以内が勝負」と作戦を立てた。そして、54度から52度へクラブセッティングを変更。「アプローチウェッジの3本の組み合わせは、まったく代えたことがない。22日から90ヤードのフルショットで使う52度を入れたことが大成功です」。より柔軟性を加えたことが吉だった。
「ここ2年、QTで失敗。試合へ出場できることに、より感謝するようになりました。おかげさまで、以前よりプレーすることが楽しくなっている。最終日はメンタルの維持が難しいけど、とにかく集中です」と、自身へエールを送る。
ちなみに、珍しくキャップをかぶっていたが、「風が強くて、(前日は)バイザーが飛ばされそうになったから」。ちょっとした工夫も欠かさない。とはいえ、ただひとつ変わらないものがあった。ファッションリーダーであり続けることだ。暑さ対策のホワイトコーディネートがまぶしかった。
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