2022.8.25
復調急の65 原英莉花『攻略して帰ります』
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第25戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)が8月25日、北海道小樽市・小樽カントリー倶楽部(6655ヤード/パー72)で開幕。原英莉花が65をマークし、7アンダーで首位に立った。2打差の5アンダー、2位は吉田優利。4アンダー、3位タイには、ホステスVを目指す小祝さくら、藤田さいき、上田桃子がつけた。ディフェンディングチャンピオンの稲見萌寧は3アンダー、6位タイ。初Vから3週連続優勝を目指す岩井千怜は5オーバー、94位タイから巻き返しを狙う。
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《グリーン=スティンプ:12 3/4フィート コンパクション:24mm》
心技体が揃った。今季一番の状態。原英莉花はこれまでのモヤモヤを吹き飛ばすかのように、小樽で躍動した。スタートからエンジン全開。4連続バーディーは、ただただすごかった。
「優勝したい。そんな意欲がわいてきた。腰の状態が良くなり、ショット、アプローチ、パッティングが自信をもてるようになっている。首位? そのポジションへ、いようという気持ちです。戦いたい。気持ちだけが伴わなかったけど、ようやく-」と力強く宣言。不安がなくなれば、思考がさえる。
スタート前のパッティング練習で欠けていたワンピースがきれいにおさまった。「NEC軽井沢72で、森口祐子さんからパッティングのストロークを一定させるテンポの音を出す、(メトロノームのような)ものがあることをうかがい、試して聞きながら練習をするように…。おかげで、きのうあたりからすごく良くなってきた」という。ところが、完ぺきではない。手や指先へ力が入りがちだったそう。
しかし、この日、「意識を、みぞおちあたりへ移すといい感じで力が抜け、再現性が増した。これだ」。11番=7メートル、12、13番=5メートルなど、マジックを駆使するような鮮やかなバーディーが決まる。
好調なパッティングは良いリズムを生み出す。難関の16番では第1打で飛距離を稼ぎ、残り160ヤードの第2打が、あわやイーグルのシーンを演出。50センチにつけ、楽々とバーディー奪取に成功した。
後半、4番でボギーとしたものの、すぐさまバウンスバック。7番、そして最終9番でスコアを上積みし、今季ベストの65を叩きだした。ちなみに、自身の今大会、ベストスコアは69。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
一方、ニトリレディスはゴルフ人生のスタートである。アマチュア時代の15年、初めて出場したJLPGAツアー。86を叩いて予選落ちに終わったが、「小樽カントリー倶楽部が大好き。プロの試合へ出場したい。その一心でゴルフに取り組んでいた。だけど、あの頃はこわいもの知らずだったなぁ」。遠くを見る目で、はじめの一歩を語っている。
続けて、「コースの風景や、考えられないような難しさがある。北海道も好き。ここまでエンジンがかからず、悔しかったけど、今回は(小樽を)攻略して帰ります。さぁ、あしたもがんばろう」とナイスプレーを、かみしめた。名コースは名選手を育てる。進化の8年、サマーシーズンの掉尾を飾る発表会だ。
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