2022.10.21
脇元華 3連続ピンチで鮮やかなパーセーブ
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
NOBUTA GROUP マスターズGC レディース マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)第2日
ピンチに直面しても、グリーンへ近づくほど集中力が増した。脇元華の真骨頂は、ショートゲーム。その特性を存分に発揮し、技あり-といえる2位浮上だった。
「パーオン率がきのうは16回。でも、きょうは11回でした。きょうはリカバリーでしょう。スコアにつながったと思います」と解説。5バーディー、ノーボギーのラウンドは、いつも以上に緊張感がみなぎった。
インスタートのこの日。見せ場は4-6番である。パー3の4番はグリーンを外し、第2打は15ヤード。しかも、バンカーにはさまれ、決してやさしくはない。「せまいところをうまく打てた。ロブショットが得意ですから、ボールをあげて1メートルにつけることができて…」。続く5番も、右ラフから残り20ヤードで、しかもつま先上がりの難しい状況だった。それでも、ピン2メートルへ寄せてパーセーブに成功。
二度あることは三度の格言ではないが、6番でもボギーの危機に直面する。しかし、残り20ヤードの第3打を52度で、チップショット。これまた1メートルにつけ、ピンチを切り抜けた。「パーオンできなくても、ガマンができる。やはり、試合は学ぶことが多い。毎週のように、試合へ出場できることは本当に感謝してもしきれないぐらいです」と語っている。
昨季、シード権を喪失。今季はJLPGAツアー、ステップ・アップ・ツアーへ出場している。今大会も出場が決定したのは16日夜。香川から兵庫へ移動した。「このコースが好きです。だから、しっかり準備をしてきた。第1打が打ちにくいホールが少ない。ストレスがまったくありませんね」が、好調の要因のひとつ。今月4日、25歳の誕生日を迎え、同週のスタンレーレディスでは最終日、ハデなイーグル奪取など、ファンの記憶に残るシーンあった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
心境の変化は、いったい。「正直なことをいうと、アラサーの手前のような。30歳に近づいている。24歳とは明らかに違う。もっと、大人にならないと…」と前置きし、「わさびが少しですけど、食べられるようになった。それから、感じているのは、もっと日本語を勉強すること。貪欲に行きたいです。人生の糧になればうれしい」という。
その上で、ハッと気がついた様子でプレーの変化を打ち明ける。「スタンレーの第1日の前半、パッティングがいまひとつでした。でも、後半に入ってひらめきが…。両肩がクローズ気味でちょっと窮屈。スクエアか、オープン気味に変えたら、すごくストロークがスムーズになった。自分で気がつき、試した結果です。すごく大きいと思う」。
さらに、「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯から3試合、ロボットのように感情を表さないことに取り組んだけど、やはり私は人間でした。ちょっと苦しい。ムカつくことがあっても、うまくマネジメントの整理などをしっかり行えばいいのでは…そう気がついた。それが私らしい」と、ひとつ上の自然体を目指すようになったそうだ。
ゴルフは人生を映す鏡の如し。「何も変わっていないと感じていたけど、そうではありませんね」と苦笑した。となれば、故郷・宮崎で行われる最終戦JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ出場も夢ではない。「宮崎が待っていますね。チャンスは今回と次週の2回。もう、勝つしかない。食らいついていきます」。深まる秋、可能性は無限に広がっていく。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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