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2023.1.27

春を待つ94期生~丹 萌乃

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 コロナ禍の難しい調整を克服。2023年、プロ2年目のスタートを切る。21年11月、29.2倍という、狭き門を潜り抜けた94期生は逸材揃い-との評判が高い。

 たん・もえの=1996年12月31日、愛媛県西条市出身

 プロ2年目のシーズンとはいうものの、すでにトーナメントではおなじみの存在。18、19年はTP単年登録でJLPGAツアーへ挑戦した経験がある。ところが、最終プロテストとなると、不思議に旗色がわるくなる。7回目の挑戦で21年11月、ようやく-。

 「テストを意識すると、いつものプレーができなくなる。受験した7回、すべて最終までいったけど、楽ではなかった。1ストローク差で2度、落選。この2回は自分でもいいプレーをしたけど、残念な結果でした。変わったのは、20年からメンタルトレーニングをはじめたからでしょう。そうしたら、合格。調子が良かったです。また、今のテストでは調子がよくなければ合格はできません。そのぐらいレベルが高い」と話した。

 人間、気持の持ちようでそれほど変化できるものなのか。そうはいっても、技術の裏付けがなければもちろん不可能だが…。「メンタルトレーナーからカウンセリングを受け、変えたことは思考かなぁ。それまで、試合でボギーを叩くと、すぐさまバーディーを取り返さないといけない。そういうことを真っ先に考えてきました。結局、追い込んでしまって、あせりばかりが募る。そして、成績が悪いと落ち込む。気持ちが沈みがちになります」。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 トーナメントは18ホールのストローク勝負。マッチプレー方式ならいざ知らず、1日をトータルで考えれば良いことばかりが続くことは、ごくマレだ。「調子が悪くても、すべてが悪いわけではありません。ボギーを叩いても、必ずバーディーチャンスは来る、とアドバイスをいただいた。実際、その通り。悪いことばかりを深く考えないようになったと思います」と明かしている。

 では、22年はどうだったか。「ステップ・アップ・ツアー優勝を目標でした。でも、優勝争いはできたけど、勝つまではいかなかった。反省といえば、大事な終盤で連戦が続くとちょっと疲れが出て…。シーズンを通し、力を出せるような体力を養わなければなりません。去年の12月から、トレーニングを欠かさず行っています」と準備をしている。

 本格的な始動は年明けから。山内日菜子、篠原まりあ、高木萌衣、西智子など、同級生が集まり合宿を行っている。切磋琢磨の冬。ポイントはパーオン率の向上にある。「ショットの精度を上げることです。ステップでも、上位選手はパーオン率が70%を超えている。そのレベルでなければJLPGAツアーでも戦えない」と明確だった。なるほど、そうでなければ自身の特性、パッティングを生かすことができない。

 「去年、シーズンを通してパッティングは良かった。考えてみると、パッティングが好きだから、そればかりのような気も…。そんな考えを改め、ショット練習にも多く時間をとるようにした。いい条件で、バーディーパットを1回でも多く打つ。だから、パーオンなんですよ」と説明している。

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

 小学生からパッティング、ショートゲームが得意だという。当然のように、才能があるわけだが、「練習をたくさんするから、入るようになる。それなら、好きになりますよね。となれば、もっと練習をするわけです。いい循環。そうでしょう」。アマチュアへ、的確なご説明ありがとうございます。

ちなみに、出身地の愛媛・西条市は田舎暮らしの本が行った、住みたい田舎ベストランキング(若者世代、単身部門)で20年から3連覇。23年は惜しくも2位に終わったが、昨年のワールドカップカタール大会・日本代表の長友佑都選手などが熱烈エールを送っている。

 23年末「ブラボー」と、胸を張る成績を残すことができるか。これからが勝負-。

(青木 政司)

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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