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2023.4.20

パー5が好調の証! 大会初Vを狙う渡邉彩香

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

41st フジサンケイレディスクラシック 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)

 例年とは異なる心構えで渡邉彩香が大会初制覇を狙う。熱海市出身の彼女にとって、今大会は自宅から最も近いコースでの開催。当然のように毎年第1日から大応援団が駆け付けるが、まだ優勝はなく、16年の4位タイが最高だ。なんとか期待に応えたい今年はあえてプレッシャーをかけて試合に臨むという。

 「極端ですが、この試合に出るのは今年が最後のつもりで戦います」。理由は一つ。これまではたとえ成績を出せなくても、また来年頑張ればいいやという甘えが心のどこかにあった。それを一掃すると同時に、緊張感を持ってプレーしたいからだ。

 裏を返せば、油断さえしなければ結果を残せる手応えも感じている。昨年からスイング改造に取り組み、球筋も変えたが、その結果が開幕戦のダイキンオーキッドレディスで少なからず出た。6位タイに終わったものの、第1日から第3日まで首位をキープするだけのゴルフをプレーできた。

 「スイングに関してはまだ100パーセントではありませんが、それもここ数試合のうちに自信を持てるようにしたいです」と目を輝かせる。ここ数年はそれほどまでに自信に満ちたコメントは聞かれなかったが、今年は自信を裏付けるだけのデータもある。

 ドライビングディスタンス=255.85ヤード、イーグル数=3個、パー5平均スコア=4.5921の3部門で1位を維持しているのだ。「私の場合、この3つがバロメーターでもあるんです」。

 基本的にパー5では2オンを狙うが、ドッグレッグホールでコーナーにバンカーがあったりすると、ドライバーショットでそれを越えるだけのキャリーを稼がなければ、その手前に刻まざるを得ない。2オンできなければ、イーグルも難しくなるし、平均スコアを縮めることもできない。そこで、オフはスイング改造だけでなく、トレーニングにも励み、飛距離アップに成功。昨年よりも平均で6ヤード以上も伸ばすことに成功した。

 「グリーンの近くまで運べばいいという考え方から、しっかりとピンを狙う攻め方に変わったので、イーグルチャンスも増えたんだと思います。そこは成長を感じる部分です」。

 調子が上がってきたことで、狙う目標も変わってくる。今大会での優勝はもちろん、2週後の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」で初の公式競技Vも視界に入っている。複数年シードを獲得することで、海外ツアーの挑戦もできるし、結婚3年目のプライベートを充実させたい気持ちもある。さらに、来年はパリ五輪が控えていることも大きい。まだ出場権に関する詳細は発表されていないが、リオデジャネイロ五輪をわずかな差で逃し、東京五輪も出場が叶わなかっただけに、最後のチャンスと思って挑戦したいのだ。

 目標は多岐に渡るが、まずは、今大会制覇が第一優先なのは間違いない。前週のKKT杯バンテリンレディスでは、埼玉栄高校の後輩である岩井明愛がツアー初優勝を飾った。「高校の後輩が勝ったことは素直に嬉しいですが、先輩として負けていられない気持ちもあります」と、いい流れに乗りたいところ。心技体が充実してきた今年こそ、白いチャンピオンブレザーに袖を通す可能性は十分にあるかもしれない。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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