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2023.5.4

宮澤美咲-ついに覚醒 ギャラリーの熱視線で上昇急

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)が5月4日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 西コース(6780ヤード/パー72)で開幕。第1日は前評判通りの難しいセッティングに、アンダーパーがわずかに4人という忍耐の勝負になった。首位は2アンダーのプロ2年目の宮澤美咲。1打差の1アンダー、2位タイで金澤志奈、工藤優海、吉田優利が追う。連覇を狙う山下美夢有は3オーバー、29位タイ。
(天候:晴れ 気温:25.3℃ 風速:1.8m/s)
《グリーン=スティンプ:13 1/3フィート コンパクション:24.5mm》

 宮澤美咲はプロデビュー後、今大会が初の公式競技出場。しかし、人生の思い出深い一日を存分にアピールの場へ変えた。4バーディー、2ボギーと堂々たる内容。「うれしい。初の公式競技。大会がどんなムードなのか、心から楽しみにしていたけど、開幕が近づくにつれて、緊張感が高まってきて…。他の方へいろいろうかがっても皆さん、メジャーだからね-で終わってしまう。不安はあったけど、きょうは久々にいいプレーができた。大満足です」と、振り返っている。

 この日は早朝から人、人、人だった。コロナ禍以降、トーナメントでは1日あたりのギャラリー動員数が初めて1万人を突破。そうはいっても、熱視線をパワーに変えるほどハートが強かった。

「試合になれば、まったく緊張はしません。それどころか、たくさんのギャラリーの皆さんが見てくださる。本当に幸せな一日でした。ナイスバーディー、ナイスパーなど、声がかかるのが本当にうれしい。力がわいてきます」と、感無量の表情を浮かべている。

 それだけにスタートの1番で5メートルのバーディーパットが決まると、やる気が倍増したのだろう。ピンチを迎えても動じることはなく、より集中力が増しているように映った。今季は9戦で予選落ちが5回。加えて、KKT杯バンテリンレディス第1日に71をマークしてから、6ラウンド連続でオーバーパーと不振に陥っていたことが信じられない。

 特に終盤へ行くほど、安定感が増しパー3の15番でピン奥3メートルにつけバーディー奪取。パー5の17番では残り78ヤードの第3打を、58度でピン奥1.5メートルへ運んだ。ショートゲームにもさえをみせ、気持ちの良いバーディーである。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 「入れ替えた1Wのシャフトを元に戻した。あたたかくなって、クラブを振りすぎてしまう。きょうは良かった」と復調を実感。さらに今オフ、課題にしてきたショートゲーム、パッティングの成果が大一番で発揮されている。出身は北海道千歳市。冬場はショット練習だけの毎日だったが今年は初めて、鹿児島と宮古島で練習を重ねたのはプロ2年目の飛躍を狙ったものだ。

 ルーキーの22年、ステップ・アップ・ツアー賞金ランキング2位で、23年前半戦の出場権を得た。

 一方、コースを離れれば、別の顔がある。趣味はゲーム。メタバースの世界でストレスを発散中。「最近、いいゲームを発見。ARKというサバイバルアクションゲームです。恐竜が闊歩する島が舞台。恐竜を手なずけ、自分で生きる術をみつける。私にぴったりのものがようやく見つかりました」と、目を輝かせながら切り出した。

 ところが、「けさ、友人から連絡があって、恐竜が逃げ出している-と…。私の何頭か、他の恐竜にやられたらしい。心配です」と明かしたが、ハッとした様子で、「こんな話をしてすみません」と、申し訳なさそうに頭を下げた。いつも、腰が低くあいさつをかかさない。カメラマンが撮影していると、「ありがとうございます」と、一礼して通り過ぎる律儀な性格だ。

 この日は、JLPGAツアーで初の囲み取材。それが終わると、サインを求める大勢のファンのリクエストにうれしそうだった。これも好スコアの後押しがあればこそ、だ。公式競技は若手選手にとって、さながらショーケース。大志を抱いて第2日へ挑戦する。

(青木 政司)

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