2023.5.25
飛距離よりも方向性! 菊地絵理香が単独首位発進
<Photo:Masterpress/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第13戦『リゾートトラスト レディス』(賞金総額1億4000万円/優勝賞金2520万円)が5月25日、静岡県浜松・グランディ浜名湖ゴルフクラブ(6500ヤード/パー72)で開幕。第1日は思ったよりも風が強く吹くことはなく、好スコアが続出。6アンダーをマークした菊地絵理香が単独首位に立った。1打差の5アンダー、2位タイには後藤未有、神谷そら、桑木志帆、穴井詩が並び、さらに1打遅れての4アンダー、6位タイには脇元華、三ヶ島かな、岩井千怜、山下美夢有、佐久間朱莉、内田ことこの6人が並んでいる。昨年優勝の小祝さくらはイーブンパーの52位タイ。
(天候:曇り 気温:21.9℃ 風速:5.5m/s)
《グリーン=スティンプ:11 フィート コンパクション:24.5mm》
開催コースのグランディ浜名湖GCは、全体的にフラットでホール間をセパレートする林もないため、多少曲がってもセカンドショットでグリーンを狙うことは十分可能だ。そのため、飛ばし屋が有利のように思えるが、この日6バーディー、ノーボギーの完ぺきなゴルフで単独トップに立ったのは、ドライビングディスタンス54位(236・40ヤード)の菊地絵理香だった。
「確かに左右に曲げても大丈夫だとは思うので飛ばし屋が有利かもしれませんね。でも、ラフが意外と深いので、やっぱりフェアウェイから打ったほうが、バーディーを取りやすいと思います」
グリーンはそれほど硬くないものの、ラフからだとグリーンに着地してからランが多めに出る。その分を計算して落とし場所を考えるよりも、フェアウェイからしっかりとスピンをかけたほうが、ピンそばにボールを落としやすいというわけだ。その言葉どおり、この日、菊地がフェアウェイを外したのはわずかに2回。6つ奪ったバーディーのうち、4つは3メートル以内につけてのものだった。
出だしはアイドリングが不十分だったこともあり、ショットの調子がよくなかったものの、4ホール目ぐらいから体が回るようになり、キレを取り戻した菊地。それに伴い、パッティングも決まるようになってきた。ただ、惜しいパッティングを外したホールも数ホールあり、「物足りない気持ちもあります」と、6アンダーでは不満げな様子もチラリと見せた。
<Photo:Masterpress/Getty Images>
今年まで10シーズン連続でシード権をキープし、ツアー通算5勝を挙げているものの、今季は前週の15位タイが最高の菊地。「2か月前ぐらいからショットの調子はいいんですけど、いざコースに出るととんでもないミスが出て、それが大きなミスにつながり、パッティングも入らずで成績が出ませんでした」と不調の理由を分析する。かみ合わせが悪いだけで、ショットもパッティングもあえて修正するところはなかったというのだ。ただ、結果が全てのこの世界だけに、焦ってせっかくの好調さを崩す選手は少なくない。菊地が最後まで自分を信じることができたのは、34歳のベテランならではと言えるだろう。
この日12時での風速は5・5m/sだったが、午前スタートの菊地がラウンドしていたときはそれほど強くはなかったが、2日目は午後スタートになるだけに風が強い中のラウンドとなる。
「今日はラッキーでしたが、明日は風が強いんですよね。でも、どっちにも対応できるようにしっかり準備しておくつもりです」と、やはりベテランらしい対応を見せ、風の強さに動じないゴルフを心がけるつもりだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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