2023.6.7
渋野日向子、所属先に届けたい3年越しの恩返し
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第15戦『宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億5000万円/優勝賞金2700万円)が6月8日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6513ヤード/パー72)で開幕する。7日はアマプロチャリティトーナメント、公式会見が行われた。
「まずは4日間戦えるように頑張りたいです」と、今大会に向けて抱負を語った渋野日向子。3週前に出場したブリヂストンレディスではまさかの予選落ちを喫しているだけに、偽らざる気持ちだろう。今大会は19年以来4年ぶり2度目の出場になるが、渋野にとっては出場することに大きな意味を持つ。なぜなら、大会主催者の一つであるサントリーホールディングスは彼女にとって所属先だからだ。
20年から同社と所属契約を結んでいる渋野だが、米女子ツアーに本格参戦していることで、出場するタイミングがなかなか合わなかった。米女子ツアーで結果を残したい気持ちが強いだけに致し方ないことではあるが、快く送り出してくれた同社に対して心の中では申し訳ない気持ちで一杯だった。単に所属先というよりも、自分のことを本気で応援してくれている企業に恩返しできていないからだ。それがようやく今回出場する機会を迎えただけに、表情も明るい。
「出場できることがまず嬉しいですし、所属先のホステスプロとして出場するプレッシャーはまだなく、これからジワジワ来るかと思いますが、楽しんでプレーできたらと思います」
アマプロチャリティトーナメント終了後には、同じサントリー所属の宮里藍、同社サポート選手の馬場咲希と3ショットの写真撮影も行った渋野。第1日は大会カラーでもある“サントリーブルー”のウエアを着用する宣言も出た。この3年間、自分の中に貯まった同社への感謝を目一杯表現するつもりだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
もちろん、自分のゴルフに対するケジメをつけたい部分もある。いくら左手の腱鞘炎があったとはいえ、出場2試合連続で予選落ちを喫するわけにもいかない。幸い、先週ぐらいから痛みを気にすることなく、しっかりとクラブを振れるようになってきたという。
「ショットの精度は全然ですけど、振り切れるようになったのは大きいと思います」とまずまずの手応えはある。開催コースの六甲国際ゴルフ倶楽部は決してやさしいコースではないだけに不安もあるが、楽しみもある。現在、国内女子ツアー最強の山下美夢有と昨年の全米女子アマ優勝の馬場咲希とのラウンドだ。「山下選手は全てにおいてレベルが高い選手、総合力が高い選手です。馬場選手は飛距離が強みですが、飛距離以外のショットにもレベルの高さを感じます。これ以上ない組み合わせです」。
タイプの違う山下、馬場とのラウンドにより、渋野のポテンシャルがしっかりと引き出されると、面白い結果になる可能性は大きい。どちらにせよ、大勢のギャラリーが会場に押し寄せることは間違いない。前回、応えられなかった期待にどれだけ渋野が対応するのか要注目だ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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