2023.6.9
岩井千怜が首位キープ! 感性生かしたパッティングが光る
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第15戦『宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億5000万円/優勝賞金2700万円)大会第2日が6月9日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6513ヤード/パー72)で行われた。この日も岩井千怜が好調をキープ。67をマークし、通算14アンダーにまでスコアを伸ばした。4打差の通算10アンダー、単独2位は脇元華。3位タイの通算9アンダーで永井花奈、山下美夢有など4人が追う展開となった。
(天候:曇り 気温:21.6℃ 風速:3.3m/s)
《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:22mm》
前日からの雨でグリーンが軟らかくなった分、ボールが止まりやすくなっていたとはいえ、気持ちよくピンを狙っていった岩井千怜が5バーディー、ノーボギーの67をマーク。通算14アンダーまでスコアを伸ばし、単独首位の座をガッチリキープした。
「今日も落ち着いてプレーできました。パーオン率が100パーセントと聞いて驚きましたが、それだけアイアンショットが冴えていたのでしょう」
どこか他人事のようにも聞こえるが、その理由は自分のショットに対して納得していないからだ。「先週まではいいイメージでアイアンショットを打てていたのですが、今週はちょっと弾道が高いかなと。ただ、グリーンが軟らかいですし、ボールが止まりやすいのでピンの近くに落とせばバーディーを取れるかなという感じでプレーしていました」。弾道の高さに対してこだわり過ぎるよりも、逆にその高く上がる弾道を利用することで、バーディーラッシュにつなげた。
確かにこの日奪った5つのバーディーは全て4ヤード以内につけたものであり、チップインや超ロングパットを決めるなどでのラッキーバーディーは1つもない。ショットに安定感があったからこそ、2日連続のノーボギーゴルフを展開できたと言える。
もちろん、単に目の前にあるボールにクラブヘッドを合わせていたわけじゃない。開催コースの六甲国際ゴルフ俱楽部にはアップダウンがあり、2打目を左足上がりや左足下がり、前上がり、前下がりのライから打つことが多い。当然、平地から打つ時と距離感も変われば、球筋も変わる。どのようなライからでもピンを狙えるようになったこと自体、岩井のショット力が上がったことの証明なのだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
また、この日は3-4ヤードの距離を入れる機会が多かったが、今年はパーオンホールでの平均パット数が1.7471(3位)と、昨年の1.7819(11位)より数字を上げている。「私の場合、パッティングのイメージを大事にしています」と言うように、アドレスに入る前にラインを読み切り、そのラインに対してタッチを合わせられるようになったことが、パッティング向上の理由だ。システマチックにストロークするよりも、自分の感性を重視してストロークするため、一つ間違えればパッティングに悩む危険もあるが、それを凌駕するだけの高い感性を身につけたのだろう。
「たくさんバーディーを取って、見ている人がワクワクするようなゴルフを目指していきたいです」と笑顔を見せた岩井。この日も多くのギャラリーをワクワクさせたが、あえてベストワクワクを選んでもらうと、18番・パー5のバーディーだという。「ギャラリーもたくさんいましたし、『よしっ、ここはつけよう』と自分も沸き、皆さんも沸いたので良かったなと」。今季2勝目までまだ36ホールあるが、より多くのギャラリーが集まる土、日曜は、さらに追い風が吹きそうだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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