2023.6.23
山下美夢有が来た! 軌道修正で33位タイから4位タイへ急浮上!
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)第2日
これが女王の実力なのか。第1日を首位に5打差の1アンダー、33位タイと出遅れていた山下美夢有が、5バーディー、ノーボギーの67をマーク。一気に3位タイにまで浮上してきた。
「昨日よりもショットが安定していたし、ラフに行く回数が少なかったですね。改めてフェアウェイから打つことが大切だと思いました」と振り返ったが、第1日とフェアウェイキープの数は11回で同じ、パーオンの数も16回で同じだった。にもかかわらず、ショットが安定していたと感じるのは、その中身に違いがあるからだ。同じラフでも前日のように大きく曲がって入るのと、この日のようにわずかに曲がって入るのとでは印象が異なる。グリーンに乗ったショットでもピンまでの距離が短ければ当然調子がいいと感じるだろう。
さらに、第2日は前日33パットと苦しんだグリーン上でも28パットと好調さを取り戻しつつある。4番パー3ではティショットをピン右4メートルにつけたが、下りのフックラインという難しいパットを残しつつも沈めて見せた。「パッティングで大切なのは距離感とラインの読みです」と常に口にしている山下だが、ようやくラインに対してタッチが合い始めてきたと言える。
この日からコーチである父親の勝臣さんが来場。スイング軌道を修正したことでショットの曲がり具合を抑えられるようになった。今週は月曜日に今大会のプロアマ戦に出場した後、関西の自宅へ戻った山下。前週も今週と同じ千葉県での開催だっただけに、そのまま滞在する選択もあったが、あえて一度地元へ帰ってリフレッシュすることを選んだ。その分、水曜日の朝に自宅を出発する慌ただしさもあって第1日にはスコアが伸びなかったのかもしれないが、ようやくいつものペースを取り戻したのだろう。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
同組でラウンドした桑木志帆が「すごくリズムよくプレーされていますし、無駄のないスイングだと思います」と好調さを証明すれば、1組前でラウンドし、通算8アンダーで単独2位につける岩井明愛も「美夢有さんは必ず伸ばしてくるので自分がバーディーを取らないと追いつかれると思いました」と警戒感を高めていた。次週の資生堂 レディスオープンを欠場し、2週後の全米女子オープンに向けてコンディションを調整することを決めた山下。それだけに、この試合では持てる力を惜しみなく出すつもりでもある。
一時は、「海外に行くことを考えると、メルセデス・ランキング1位をキープするのは難しい」と語っていたが、最近の好調さもあって現在は2位の岩井千怜に大差をつけている。2年連続年間女王の可能性は十分にあるだけに、ダメを押す意味でもその前に今季5勝目を飾っておきたいところだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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