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2023.6.23

巧みの技を見せた申ジエが3打差の単独首位で決勝ラウンドへ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額3億円/優勝賞金5400万円)大会第2日が6月23日、千葉県袖ケ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6650ヤード/パー72)で行われた。スコアを7つ伸ばした申ジエが通算11アンダーとして単独首位に立った。3打差の2位には8アンダーの岩井明愛、さらに1打遅れて7アンダー、3位に川岸史果がつける。
(天候:曇り 気温:21.2℃ 風速:1.1m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:23-24mm》

 前半のインコースを2アンダーで終えた申ジエが、3番から怒涛の5連続バーディーを決めてみせた。首位の岩井明愛と2打差で迎えた3番・パー4で3メートルを沈めると、4番・パー3は4メートルを沈めてついに岩井に並ぶ。さらに5番・パー4で4メートルを決めて単独首位に。それでも手を緩めることはない。6番・パー4で50センチ、7番・パー4で1メートルを沈め、気がつけば岩井に3打差をつけての通算11アンダー、単独首位でホールアウトした。

 当然のように、「今日の満足度は100パーセントです」と満足げな笑顔を見せた申だが、好スコアの要因はパッティングよりもショットにあったという。「今日は10番と8番の2回しかフェアウェイを外しませんでしたが、8番は跳ね方が悪くてラフに入っただけでいいショットでした」と振り返る。確かにグリーンを外したのはわずかに2回と、フェアウェイをキープしたメリットは大きい。しかし、それだけの理由でピンそばにボールを落とせるわけではない。特に、100ヤード以内の距離を打つとかなりの確率で1ピン以内に乗せてくる。今季パーブレーク率が23.0769パーセント(2位)という数字がその高い技術を証明している。

 申によれば、細かい距離の打ち分けは振り幅もあるが、ボールの高さによって調節しているという。「同じ振り幅でも高く上げれば距離が落ちるし、低い球を打てば距離が伸びます。弾道の高さに応じてボールを左に置いたり、右に置きますし、さらにクラブフェースの開き具合も調整しています」。要するに、一つの振り幅で何種類の距離を打ち分けられるというわけだ。ボールのライやグリーンの状況、さらには風などのあらゆる条件も加味する。それをわずかな時間で計算し、最適な弾道、振り幅を決めてピンを狙うのだが、だてに元世界ランキング1位の看板を背負ってはいない。

 「あとは余計なことを考えず、ピンしか見ないようにすることです」。確かに申のラウンドを見ると、自分のプレーに集中していることをしっかりと感じさせる。

 昨年は両ヒジの手術もあり、未勝利どころか、メルセデス・ランキング16位に終わった申。今季は開幕戦に優勝。出場11試合中8試合でトップテンに入っている。メルセデス・ランキングでも山下美夢有、岩井千怜に次ぐ3位と好位置をキープ。とかく山下、岩井姉妹がクローズアップされているが、35歳のベテランも存在感をしっかり出しているのだ。もちろん、体力は20代の頃よりも劣っている。「前週は体調が悪かったのでトーナメントを欠場し、体力の回復に努めました」と、体調管理にも気を配る。試合数を減らした分、出場したときはMAXの力を発揮する方針だ。現在出場5試合連続でトップテンに入っているが、そろそろてっぺんに名を刻むつもりで決勝ラウンドに臨む。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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