2023.6.24
優勝争い疲れは無し! 岩井千怜は首位と1打差の4位タイから逆転を狙う
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)第3日
岩井千怜の負けず嫌い魂に火が点いた。1番・パー5でまさかのボギーを叩く最悪のスタートを切った瞬間だった。決勝ラウンドに入り、明らかに予選ラウンドと比べてピン位置が左右に振られて厳しくなっていた、この日のコースセッティング。その一方できちんとサービスホールも用意されていた。2番・パー4だ。グリーンの右手前に池、左手前にバンカーと、ハザードがあるものの、この日はティーイングエリアを一番前に出し、243ヤード(実測値236ヤード)に設定した。当然、ドライバーならワンオンのチャンスがあるし、飛ばし屋なら3番ウッドでもグリーンを捉えることができる。
とはいえ、当たりが悪ければ、姉の明愛が失敗したように、右の池にボールを落とす危険も十分ある。「なかなかプレッシャーのかかるホールですね」と岩井も分析していたが、気持ちは1オン、1パットのイーグル1本狙いだ。グリーンが空くと、3番ウッドを手にし、ゆっくりとアドレスに入る岩井。フィニッシュまで振り抜くとボールはピンに向かって飛んで行く。12.5メートルのイーグルパットは外したが、お先の距離まで寄せてバーディーを奪った。「イーグルを奪ってやると思っていただけに残念ですが、いいバーディーだったと思います」と、珍しく自画自賛だ。まさに岩井の強気が読んだバーディーだった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
前週は姉の岩井明愛、山下美夢有と最終日最終組でラウンドしながら、山下に優勝を、2位の座を明愛に奪われて3位タイに終わった。しかし、負けたことや順位に対する悔しさよりも、最終18番というギャラリーが多い見せ場であり、大会を締める場面でパーパットを外してボギーを叩いた自分が許せなかった。その悔しさを晴らすためにも、今大会では入れたい場面ではしっかりと決めたかったようで、5バーディーを奪った、この日はまずまずの出来だったと言う。
この試合に過去6戦も加えると、優勝争いに絡んだのは5回ある。体力面ではもちろん、精神面でもきついのではーと思われるが、辛いよりも楽しいという。「美夢有さんも他の方もそうですが、毎週、毎週頑張っている選手がいるので、その人たちを追いかけることで自分も頑張ろうと言う気になります」と、むしろいい発奮材料になっているという。幸いにも、今大会のコースはラフにつかまるのとフェアウェイをキープするのとでは、狙い方が大きく変わるというプレッシャーもある。そのお陰で最終日もいい緊張感をキープしながらプレーできるというわけだ。
現在、メルセデス・ランキング2位だが、1位の山下との差は大きい。しかし、出場予定の全米女子オープン、AIG全英女子オープン、アムンディ エビアン選手権で上位に入れば、十分逆転も可能だ。もちろん、かなり高いハードルではあるが、それを超えるためにも、まずは前週のリベンジを果たしに行く。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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