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2015.4.10

怒りを力に 藤本麻子の長い1日

スタジオアリス女子オープン 花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース(兵庫) 1日目

 8番ホールを終えた時、藤本麻子はまさに怒り心頭に発していた。よもやの逆転負けを喫した先週から気持ちは切り替わっているはずだった。帰りの車中では、いつも厳しい反省を投げかけてくる両親が一人の時間をつくってくれ、悔し涙を流し切ることができた。日課となっているその日に起こった「悪かったこと」「良かったこと」を記しているノートにも「良かったこと」をいつもの3倍ぐらい書いた。実家に戻り、火曜日には岡山随一の桜の名所「津山城」を訪れ、花見を堪能した。気持ちの整理は完全についていたはずだった。しかし運気の悪さというのはこういうものなのだろうか。スタートの難関ホール1番をボギーとしてしまうと、5番では7番アイアンでのセカンドショットを痛恨のOB。6番、8番もボギーとすると、ついに藤本の我慢は限界を超える。

 続く9番のセカンドショットは「本当だったら手前から攻めたいところ」という状況だったが、臨界点に達していた藤本は「こんなもんバーディー獲ったら流れ変わるわ」とピンデッドに攻めることを決意。本来握るはずだった5番アイアンを4番ユーティリーティーに替え、怒りのままに振りぬいた打球はピン奥2メートルへ。これを沈め本日の初バーディーとすると、これがゴルフの不思議なところ、後半は打って変わって5バーディー、ノーボギーと別人のラウンドに。終わってみれば8番グリーンでは予想もつかなかったであろう見事な3位発進を決めてみせた。

 ところでゴルフの鉄則は「手前から」と言われているが、今日の藤本ノートには、こんなことが記されるかもしれない。「時には鉄則を破ってみるのもいいかもしれない」―と。

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