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2023.8.9

プラスワン2023~JLPGA×ヤマト運輸

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアーは猛暑の連戦が続く。ゴルフは個人競技。キャディーバッグ、スーツケースなど、たくさんの荷物を携え、選手は移動する。その負担は経験者でなければわからない。7月、大東建託・いい部屋ネットレディスから、JLPGAはヤマト運輸と連携し、専用チャーター便で選手の荷物を運ぶサービスをスタート。北海道meijiカップ最終日、取材をすると-。

 「本当にありがたい。今までは荷物をお願いする際、個人で手配しなければならなかった。でも、このサービスのおかげで面倒な手続きがいらない。4日間競技が増えた。しかも、夏休み中は道路事情で遅延するケースがあるから翌週の試合、週初めから練習ラウンドする場合は手持ちで行かなければ・・・。以前、移動の時に段差で手首をケガしたこともある。私たちにとって最高のサービスです」と、プレーヤーズ委員会・副委員長の青木瀬令奈は感謝を込めて語っている。

 今回の取り組みは異口同音に「画期的」と各選手が話しているのは、単発ではなくシーズンを通して行われることだ。各試合ではコースセッティング、練習場の充実など、さまざまなツアー強化策を展開中。手荷物サービスも素晴らしい施策のひとつとなった。

 河本結も、「翌日、コースへ到着することがありがたいです。しかも、依頼する際は通常とは違い、伝票は住所などを記入しなくていい。帰りの移動であわただしい時など、ちょっとした手続きを省いてくださることも助かります。さらに、キャディーバッグの他、スーツケースもお願いできる。トレーニング用具も運ぶ手間がなくなりました。以前は、パターなどクラブも数本、ケースに入れて手持ちで移動。ありがとうございます」と、うれしい言葉を頂戴した。

 取材中、JLPGAブライトナー・大里桃子が宅急便カウンターへ、キャディーバッグなどを収納し、巨大なバッグを運んできた。どれほどの重量があるのか。試しに持たせてもらうと、少なくとも30キロ以上はありそう。依頼できるのは、キャディーバッグ、スーツケース。そして、帯同キャディーが使用する手引きカート(※航空便の場合バッテリーは不可)だ。

 「私は従来、荷物はすべて手持ち。空港へ持ち込んでそれはもう、大変な移動でした。だから、今回のサービスでものすごく負担が軽減され、心からありがとうございます。そう、申し上げたいです」。ちなみに、10日は25歳の誕生日である。11日、開幕のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントへ、より力が入っているのは当然だろう。

従来、各大会で配送は選手が個別対応。通常なら北海道から、長野・軽井沢は当日を含め3日間かかる。JLPGAが主導し、選手の利便性を重視。ヤマト運輸と連携し、航空便と、チャータートラックの陸送を駆使することによって、翌日到着が可能になった。7日夕、軽井沢へ荷物が到着。8日早朝から、各選手が一斉に練習ラウンドをスタートした。

 今回のサービスが始まる以前、こんな光景を目にしたことを思い出す。受付カウンターで申ジエが、何度も何度も頭を下げていた。「皆さんのおかげで、私はとても助かっています」と言葉を添えて。まるで、業者と客の関係が入れ替わったかのようである。日本では、根付いた物流システムでも、外国人にとっては、これは驚くべきことだった。ましてや、世界中のツアーを転戦した経験が、違う視野でとらえていたのだ。

 「USLPGAツアーでは、移動距離が長い。しかも荷物が大量です。飛行機で移動の時には、預けた荷物がなくなることも結構、ある。それが日本はキャディーバッグ、他の荷物も正確に次の会場まで運んでくださる。私にとって、どんなにありがたいことか。日付や時間まで指定できる日本の物流は、マジックのようです。これも世界に誇る素晴らしい文化だと思います。日本のツアーへ参戦して私が一番、びっくりしたこと」。一方、オーストラリアから選手を指導するため、来日中のコーチは、「JLPGAが今回、はじめたサービスを知って、本当に驚いた。これはUSLPGAだってやってはいない。世界で日本だけだろうね。しかも丁寧だし、すごく速い」と大絶賛だった。

 サービスは、今シーズン最終戦まで行われ、24年以降はさらに充実したホスピタリティーの実現を目指していく。

(青木 政司)

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