2023.8.23
母国で一石を投じた申ジエ 今大会も奮闘宣言
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ニトリレディスゴルフトーナメント 小樽カントリー倶楽部(北海道)
申ジエは、2カ月ぶりのJLPGAツアー復帰。しかも、メジャー3連戦でメルセデス・ランキング首位へ浮上した。35歳が今夏に披露した奮闘劇は母国の韓国で大きなニュースになり、一石を投じたという。同時にJLPGAツアーの価値も高めた意義のある遠征だった。
全米女子オープン2位タイ、エビアン選手権54位、AIG女子オープン3位。「移動が大変。だけど、やろうと感じたプレーができた。(5月に他界した)祖母へメインのニュースになるような姿を披露したかったんです。全米女子が4年ぶり。エビアンは10年ぶりで、AIGが7年ぶりの出場でした」と、満足そうに振り返っている。
遠征後、日本に一度戻って、韓国へ帰国したのは、久々に家族に会うためだ。ところが、予想外の反響に驚いた。メジャーでの健闘は当然だが、メルセデス・ランキング1位になったことで、韓国のメディアが大きくとりあげたのだという。「実は私、ポイントのことは知らなかった。周囲でたくさんの方から1位、と言われて本当に驚いたんです」と前置きしてから続けた。
「今、韓国のツアーはとても発展している。当然、賞金女王など各タイトル争いも注目されています。となると、ランキング上位の選手はどうしてもスポットで(メジャーへ)参戦することが怖くなる。なぜなら、メジャー成績を国内のツアーへ反映することがないから・・・。韓国ツアーで頑張ったほうがいいと思うでしょう。しかし、日本でプレーする私はしっかりと(ポイント、ツアー出場などの面で)JLPGAがサポートしてくださった。日本のシステムは素晴らしい。心から感動しています。そうした状況を韓国のメディアがとりあげてくれました。韓国の後輩たちへ挑戦する勇気をもつ一助になればうれしいですね」と、熱い口調で語っている。
さて、悲願ともいえる年間女王のタイトルに加え、永久シード獲得まであと2勝。今大会から3週連続で出場するのは、もちろん体調がいい証拠だろう。「久々の日本ですけど、今回は洋芝でプレーできることは私にとってプラスです。とにかく、ワンショットに集中しなければなりません」と、プロアマトーナメント後も熱心に準備を整えた。
そうはいっても、日本でしかも猛暑の北海道は想定外だ。「2カ月間、けっこう涼しいところにいました。北海道だから長袖の準備までしてきたけど・・・」と苦笑い。ちなみに今大会、単独5位以上なら、出場274試合目で生涯獲得賞金が13億円を突破する。
(青木 政司)
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