2023.8.24
2センチで変わった 脇元華-小樽挑戦の極意
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ニトリレディスゴルフトーナメント 小樽カントリー倶楽部(北海道)第1日
小樽カントリー俱楽部は北の名門コース。今大会を楽しみにしている選手が多い。脇元華もその一人。この日、1イーグル、4バーディー、1ボギーの67をマークした。
ハイライトは5番のイーグル奪取だろう。残り154ヤードの第2打を7Iで-鮮やかなシーンにギャラリーが大興奮。「グリーンの下り傾斜に落ちて、スーッとカップインしたらしい。ギャラリーさんから、ナイスイン-という声がかかった。ショットでイーグルは本当に久しぶり。気持ちが良かったです」と振り返った。
スコア提出をすませると、すぐさま練習グリーンでストロークを確認。これにはわけがある。前週の最終日はパッティングの不調に悩まされ、33位タイ。帰宅すると、すぐさま練習を行った。
「帰路の途中、ひらめいたことがある。グリップを短くもつ。そうしたらどうだろう」ということだ。最初はほんの少し。調整しているうちに約2センチ短く握ることが適当に感じられた。
その効果はさっそく表れた。パー3の4番。5メートルのバーディーを決めた。イーグルをはさんだ6番も、2メートルとはいえ下りの難しいラインをカップイン。そして、最終18番が見事だった。6メートルのバーディーフィニッシュである。わずか2センチでこの変身ぶりだ。
ところが、「手放しで喜んではいられません。パー3の12番、3パットをしたから…」と猛省。だから、即練習となったのだろう。そして、今大会へかける意欲を語った。「小樽カントリー俱楽部は本当に難しい。攻略のしがいがある。しかもコースがとてもきれいですよね。毎年、来るたびにバンカーの縁などの芝がスパッとカットされています。一度、手で芝を刈っているところを拝見し、スタッフの皆さんのお仕事に感動しました。だから、私はもっと一生懸命にプレーをすることで恩返しを。そういう気持ちになった」そうだ。
また、今回はハウスキャディーとコンビを組んでいる。これは珍しい。「すごく良い方がついてくれました。とてもご親切。でも、甘えてはいられません。マネジメントなどをしっかりしないと…」。より気を引き締めている。
一方、第2日の注意点を、「例年よりグリーンが柔らかい。きょうはボールが弱く少し切れることがあった。あすはすべてカップをオーバーするようにします」と、決意表明のような口調で自身へ刻み付けた。創意工夫で上昇のカギをつかんだ。思慮深く、プレーは大胆に。この頃合いが難しい。
(青木 政司)
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