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2015.4.17

決断と勇気。即興で12メートルを沈めた穴井詩

『KKT杯バンテリンレディスオープン』 熊本空港カントリークラブ(熊本県) 1日目

 形態模写。すぐにマネをできることも名手の証明といわれている。穴井詩のスランプ脱出法がこれだった。今季開幕戦で優勝争いをしながら、続く『ヨコハマタイヤPRGRレディス』では予選落ち。「あの時から、パッティングが大スランプ。ここ数年で一番ひどい。タッチが合わずにラインも全く読めなくなってしまった」という。このままではいけない。「もう、何でもいいや」と開き直ったのが、9番で1メートルを外した直後。頭に浮かんだのが、ミッシェル・ウイーのパッティングフォームだった。13番からぶっつけでそれにチャレンジ。スタンスをワイドにとって、下半身を動かさない、独特の前傾スタイルだ。

 「はじめてやったのが13番。そうしたら、12メートルのロングパットが決まりました」と。実は穴井。この日はパッティングの不調に苦しむあまり、すがる思いで、スタート前のパッティング練習で、今年のマスターズを勝ったジョーダン・スピースのフォームをしきりに繰り返した。「ツキのある人に乗れ」は勝負の鉄則。とはいえ、「それをやるだけの勇気がなかった」と苦笑している。なりふり構わないのは、前週の『スタジオアリス女子オープン』で親友でもあり、最大のライバルでもある、成田美寿々が今季初優勝を飾ったからだ。

 「祝福する気持ちの後に、よし私も、と気合が入りました。その気持ちを忘れないよう、その足でトレーニングです。トレーナーからは、悔しかったら、スクワットで190キロをあげた気持ちを思い出せ、といわれました」。今大会の穴井、底知れぬパワーを秘めている。

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