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2023.9.28

0.5ミリの調整でパットのフィーリングを取り戻した青木瀬令奈

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

日本女子オープンゴルフ選手権 芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)第1日

 現在、1ラウンド当たりの平均パット数が28.2013で1位をキープしている青木瀬令奈が、その本領を発揮し、6バーディー、2ボギーの68でホールアウトした。「ショットの調子が良くないので、それをパッティングでカバーした感じです」と満足げな表情を見せた青木。パッティングが良化する兆候は前週開催されたミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンの最終日からあった。

 「私の場合、パッティングではフック回転をかけていますが、それが極端になっていたのか、必要以上に右へボールを打ち出したり、左に曲がり過ぎていました。それを防ぐためにアウトサイドインの軌道でストロークしたら、ボールの転がりが良くなったんです」。フックラインはもちろん、スライスラインでも青木のパッティングは冴え渡る。この日はピンが左右に振られていたが、安全策を重視した結果、20メートル近いパットを残すことも少なくなかった。それを着実にOKパットの距離まで寄せることでパーセーブ。4メートル以内についたときは着実にバーディーを奪っていった。運悪く、6番ホールをプレー中から横殴りの雨に見舞われ、上がり4ホールではスコアを1つ落としてしまったが、首位と1打差の5位タイは上々のスタートだ。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 実は青木がパッティングの調子を上げた理由はもう一つある。この日使用したパターのヘッドに入れるラインにひと工夫加えていたのだ。トップブレードとバックフェース部分の両方に白いラインを入れていたが、トップブレードとバックフェース部分には段差があるので同じ太さのラインを入れると、構えた時にトップブレードに入れたラインの方が太く見える。そこで、  「最初はどちらも2ミリのラインでしたが、トップブレードの方を1.5ミリにした結果、同じ太さに見えるようになったんです」。要するに、アドレスしてパターヘッドを真上から見ると、真ん中を横切るように白いラインが入ったわけだ。それに対してボールに引いたラインを合わせると、狙ったところへボールを打ち出しやすくなる。わずか0.5ミリの工夫が好調なパットを生み出した。

 今大会にはアマチュアだった14歳のときに初めて出場した青木だが、通算10回出場して最高位は10位タイと必ずしも相性はよくない。「毎年、コテンパンにやられ続けていますが、成長も感じています。優勝して歴史ある大会に名を刻めるように頑張りたいですね」。ツアー4勝を挙げている青木にはまだ公式競技での優勝はない。キャディーを務める大西翔太コーチによれば、「今回のグリーンのように饅頭型のグリーンの方が、青木さんにとってはパッティングのラインを作りやすいと思います」とプラス要素を強調する。4勝のうち2勝は4日間大会という実績もあるだけに、残り3日間がどこまで伸ばせるのか勝負を賭ける。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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