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2023.9.28

あるぞ3週連続完全V 岩井明愛が初日首位タイスタート

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第3戦『日本女子オープンゴルフ選手権』(賞金総額1億5,000万円/優勝賞金3,000万円)が9月28日、福井県あわら市・芦原ゴルフクラブ海コース(6,528ヤード/パー72)で開幕した。5アンダーの首位は岩井明愛、吉田優利、三ヶ島かな、ささきしょうこ。1打差の4アンダー、5位タイで蛭田みな美、青木瀬令奈、上田桃子、原英莉花、山下美夢有が追う。
(天候:曇り時々雨 気温:23.1℃ 風速:4.9m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/4フィート コンパクション:22mm》

 前人未到の3週連続完全優勝へ向け、岩井明愛が好スタートを切った。2試合連続完全Vを飾った住友生命Vitalityレディス 東海クラシック、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンと異なり、コースセッティングが難しく設定された今大会ではどうかという見方もあったが、そんな不安を吹き飛ばすかのように5バーディー、ノーボギーの67をマーク。首位タイで第1日をフィニッシュした。これで笠りつ子、キムハヌルに続く史上3人目の3週連続第1日首位スタート、申ジエに続く史上2人目の7ラウンド連続首位スタート(招待選手を除く)となった。

 もっとも当の岩井自身には記録に対するこだわりはない。大会前日に「記録への意識もなければ気にもしていません。今週も楽しんだら結果がついてくると思うので、まずは自分のプレーに集中して楽しんでいけたらと思います」と語っていたが、第1日を終えても気持ちに変化はなかった。実際、岩井のプレーを見ていると、トーナメントを戦っているというよりも、自分がプレーしているホールと戦っているように感じさせる。目の前にあるボールをどのように打ち、いかにバーディーを奪うか。そこに対する集中力が増せば増すほど、パフォーマンスは上っていく。

 だからこそ、ちょっとしたミスが尾を引かない。この日も前半回った18番・パー5では、ピンまで238ヤードの第2打をグリーン手前まで運んだものの、アプローチを失敗してピンを6メートルもオーバーさせる。そこには「せっかくいいショットを2回続けたのに」という思いはなく、パッティングに集中した結果、カップに沈めて見せた。次ホールの1番・パー5でもティショットを右へ大きく曲げたが、第2打をフェアウェイに出した後、第3打をピン右約2メートルに乗せてバーディーチャンスにつけた。目の前の1打に集中するからこそ、ピンチをチャンスに変えることができるのだろう。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 「風を計算しながらクラブの番手選びをして、どういう球を打ちたいのかを考えながらプレーしていますが、それが上手くできていると思います」。1打1打、1ホール1ホールが積み重なった結果が7ラウンド連続首位という離れ業を達成したわけだ。

 今大会では2週連続優勝を飾ったパターをあっさりと新しいパターに替えて臨んでいるが、それも記録ではなく、目の前のホールでいかにいいプレーをするかを考えての決断だった。また、飛ばし屋である神谷そら、櫻井心那とのラウンドになったが、「自分は飛ばし屋じゃないので」と、飛距離を競い合うこともなく、自分のプレーに集中し切った。ツアー2勝目を飾るまでは優勝にこだわることによって自らのスタイルを見失っていた岩井だが、そこから解き放たれた今、プレッシャーを感じるものはない。今回も気がつけば3週連続完全優勝という偉業を達成しそうな雰囲気だが、まずは新記録となる8ラウンド連続首位に期待がかかる。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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